2011年03月23日

わずかな表現の違いが買い占めを呼ぶ

 きょうも買い物の話から。近所のスーパーに夕方に寄った。牛乳もパンも棚は空っぽなのはいつもの通りだから驚きもしない。しかし、なんかいつもと様子が違ったのよね。棚に並べる商品を載せたカートがやってきたら、それまで談笑していたご婦人方が急に振り向き、カートに載っている段ボールの数々に視線が突き刺さった。大げさじゃなく殺気を感じた。

 どうも彼女たちの目指す商品はカートには載っていなかったらしい。落胆している様子がありありと分かった。そこは飲み物を売るコーナー。彼女たちは牛乳を待っているに違いない思ったのだが、牛乳がないのはいつものこと。いまさら何でそんなにガッカリしているのだろうと不思議だった。彼女たちが買いたかったのは牛乳ではなくミネラルウォーターなのだと理解したのは、帰宅してニュースを見てからだ。

 アナウンサーは興奮気味に「東京の浄水場から乳児に飲ませる基準を上回る放射性ヨウ素が検出された」と伝えていた。飲んではいけないのは乳児だけで大人は基準内だと分かって安心したのも束の間、そのままテレビを見ていると、専門家などがでてきて、さらに細かい話になった。

 話を聞けば聞くほど分からなくなった。だって、ダメなのは乳児だけで、幼児から老人までは大丈夫なんでしょ。それなのに「長期にわたって摂らなければ…」という感じの表現が繰り返される。あのさ〜、乳児は自分でニュースを見て行動するわけじゃないんだから、「長期にわたって与えなければ」とか「長期に渡って摂取させなければ」と表現すべきなんじゃないの? 

 ニュースを聞いていると、いかにも対象地域の住民全体が対象の様子なので、だんだんと「こりゃ大人も危ない」という気分になってくる。これじゃオバサンたち(自分のことを棚にあげてスミマセン…)が殺気立つのも当然だ。そのくせ「買い占めはやめましょう」だなんて呼びかける偽善者ぶりが鼻につく。煽っているのは誰なんだよ!(怒)

 本当に対象は乳児だけなんだったら、もっと表現を考えてもらいたい。「白い煙が上がった」「今日は黒い煙が…」なんて原発から出る煙の色なんてどうでもいいからさ、ね、お願い!!
    
posted by らくだ at 20:50 | Comment(3) | TrackBack(0) | メディア | 更新情報をチェックする