国民1人当たり400円以上を日本のために出してくれている計算になる。台湾で何かあったときに日本で520億円も義援金が集まるだろうか? 所得水準などを考えたら、本当はもっと出さないと釣り合いがとれないのだが…。
台湾の人たちの隣人愛にはとてもかなわない。それは個人レベルでも台湾に行くたびに感じていることだ。国家レベルだとこんな大それた規模になるのかと唖然としている。私にできることといったら、こうしてブログに書くこと、そして友人・知人へのメールと電話でこの話を広めることぐらいしか思いつかない。
台湾の人から寄せられたメールやこのブログへのコメント、私がネット上で見つけた情報を総合すると、経緯は次の通り。
大震災の発生後に馬英九総統が2500万円(3200万円という説もある)の義援金を発表して「少なすぎる」と猛反発にあい、2億8000万円に引き上げても「まだ少ない」と批判が止まらなかった。
3月17日に放送されたチャリティ番組で3億1300万円あまりの義援金が集まり、このブログでも紹介した翌18日の別のチャリティ番組「相信希望fight&smile」は放送時間中に21億5000万円が寄せられた(19日付の「台湾のチャリティ番組が日本に21億円の義援金」を参照)。あとで知ったのだが、4時間の放送時間が終了に近づいても支援の電話が鳴り止まず、放送時間を30分延長したそうだ。その柔軟な対応もすごいな。
上の義援金は番組に寄せられた金額だけど、官民の義援金の総額は23日時点で57億8800万円、25日時点で74億円を突破、29日で上記の通り93億円を超えた。このままいくと近く100億円を突破しそうだ。
台湾からの義援金があまりにもすごいスピードで増えているので、私の友人・知人のなかでもとりわけ日本を愛している戦中派の2人が日本のために全財産を投げ出しているんじゃないかと心配になって数日前に電話してみた。2人とも全財産を投げ出すところまでいっていなくて安心した。でも、話の感じからは相当な金額を出しているのが伝わってきた。
「義援金なんてそんなことどうでもいいから、ご主人と台湾にいらっしゃい。日本の社会が安らかになるまで、何週間でも何カ月でも好きなだけ泊まっていきなさい」と2人が同じような提案をしてくれ、嬉しさが身に染みた。
メールでやりとりしている友人からは「日本のネットユーザーの間では台湾に感謝するために台湾バナナを食べようって運動が起きているんだって?」とメールが来た。そんな運動は知らないし、我が家の近所のスーパーで売っているバナナはフィリピン産ばかりだ。「バナナっていうのは冗談も入っていると思うよ。もっとずっと高価な台湾製品を買おうっていう日本人は多いはず。例えばパソコンとか。私は既にエイサーもアスースもGIANTのクロスバイクも持っているんだ。台湾に行ってお金を使うのが感謝を示す一番の方法だと思っているから待っててね」と返事を出しておいた。
どうも日本は政府だけじゃなくてマスコミも台湾に冷たいように感じてしまう。台湾の義援金が100億円を超えたらテレビと新聞はあらためて報道してくれないかな。それが台湾ファンを1人でも増やしたい私の願いだ。
そして、これを読んでくれている台湾の人がいたら、本当にどうもありがとう! 心から感謝しています。