2011年01月29日

温浴施設の不正にみる危機管理の差

 芋づる式に明るみに出ている温浴施設の下水道料金ごまかしで、ようやく一部始終がスッキリと解明されるケースが出てきた。不正が明るみに出てスッキリというのも変な話なのだが、これまで大手メディアが報道した5〜10件のケースに限ると、誰に責任があるのか分からない話ばかりだった。中には「不正とは知りつつ工事したが、誰に依頼されたか覚えていない」なんて笑い話があるほどだ。

 スッキリ解明したのは広島・福山市の「ぐらんの湯」。施設側がプレスリリースを出し、記者会見をして発表したのは私が知る限り初めてのケースだ。ぐらんの湯の公式サイト事業主体・運営のフジの公式サイトにもお詫び・リリースが掲載されている。トップページにお詫びが掲載されているのが潔くてよい。これまで発覚した温浴施設の不正で、このように堂々とお詫びを掲載した施設は他にない。

 リリースの内容と各種報道によると、温浴コンサルの“示唆”により、当時の建設部長(退職済み)の独断によりメーターを通さないバイパス管の設置を決定。計3カ所でバイパス管を設置することにより、下水道料金は2005年の開業時から正規の3分の1しか払っていなかったという。当時の支配人もその事実を知りながら『そんなものかな』と思って黙っていた。しかし、昨年11月に異動の内示を受けて内部告発に踏み切り、同社は11月18日から社内調査を開始、12月15日に福山市に報告、1月5日にバイパス管を切断・封鎖して、28日に発表した。

 他のケースに比べれば、発覚から発表までのスピードはかなり速い。自ら発表できたのは「会社ぐるみではない」という確信があるからだろうか。リリースの内容も最初に「お詫び」とうたっている通り、「福山市民の皆様、および関係各位に多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。今後、二度とこの様な事が起こらないよう、コンプライアンスの徹底、企業倫理の向上に努め、再発防止に全社をあげて取り組んでまいります」と基本的な謝罪文が入っていることで好印象だ。

 一方、フジと同じ一部上場企業の共立メンテナンスは、運営していた「古代蓮物語」で同様の下水道不正が明るみに出た際、メディアが報道しても何の発表もせず、メディアの最初の報道から半年以上たってからプレスリリース(PDFファイル)を出した。内容は謝罪ではなく「報告」であり、今読み返してみても言い訳がましさが目立つ。フジのリリースに比べると明らかに見劣りする。企業の危機管理能力の差ってこういうところに現れるんだな〜と興味深く読み比べている。

 ぐらんの湯はコンサルの示唆が発端ということなので、このコンサルがどこかってことを調べて、そこが関わっている温浴施設リンク切れの場合のウェブ魚拓)を立ち入り検査するところから始めればいいのに。今のところ2件クロ。地方自治体がそうした情報を共有して積極的に動いているとは思えないのが残念だ。
   
posted by らくだ at 21:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 温泉・温浴 | 更新情報をチェックする
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