2011年01月16日

チュニジアの1人と日本の15人

 テレビでチュニジアに関するニュースを見るのは珍しい。ベンアリ大統領がサウジに亡命し、長期独裁政権が崩壊した。私がチュニジアに行ったのは94年で、その時はすでにベンアリの独裁体制下だった。

 空港で偶然知り合った女子学生の家に転がり込んで数日泊めてもらい、何も分からないながらに家族と一緒にテレビを見た。チャンネルは1つか2つだったと思う。ニュース番組には毎日「今日の大統領」みたいなコーナーがあって、今日は大統領が何をしたとか、大統領から国民へのメッセージみたいなものが流されていた。彼女はあっけらかんと「チュニジアは独裁体制だけど、日本は違うんだよね」とか「日本てイタリアよりも頻繁に首相が変わるよね」なんて言っていた。

 進歩的大学生の彼女が独裁体制を憎んでいたのはいうまでもない。でも「別に反対運動なんてしていないし、心のなかで嫌だと思っているだけ。同級生も同じだよ」と言っていたっけ。それから17年でチュニジアの人たちの我慢が限界に達した。いま考えるとよくそれだけもったなと思う。ベンアリが就任したのは1987年11月7日っていうから竹下内閣の時だ(中曽根内閣から竹下内閣に変わったのが同年11月6日)。ベンアリ大統領在任中の日本の首相の移り変わりは−−(敬称略)
竹下登
宇野宗佑
海部俊樹
宮沢喜一
細川護煕←私のチュニジア訪問
村山富市
橋本龍太郎
小渕恵三
森喜朗
小泉純一郎
安倍晋三
福田康夫
麻生太郎
鳩山由紀夫
菅直人
 なんと15人も首相になっている。小泉時代が長期政権なんて言われているけれど、あくまで相対的な話で、チュニジアの人にとっては「はぁ?」って話だろう。これからのチュニジアが日本ほどではないにせよ、リーダーが民意でちゃんと交代する国になることを祈りたい。と、ここまで書いて『あれ、日本のリーダーは民意に基づいて交代しているのかな? ちゃんと交代しているといえるのかな?』と思うと、そんなことは全然なかった。_| ̄|○
posted by らくだ at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする