シンガポールに来ている。トランジットでは数年に一回利用しているが、町中を観光するのは数十年前の初訪問以来だ。「世界3大ガッカリ」の一つとされるマーライオンを再訪し、あまりの変貌ぶりに驚いた。
確か昔はもっと目立たないところにちんまりと鎮座していたように記憶している。観光客も私以外には2、3人しかいなくて、なるほど「世界3大ガッカリ」とはこのようなものか、と納得したもんだ。ところが今回は昼も夜も観光客がわんさかいる。観光客を乗せた船もぶつかるんじゃないかっていうほど行き交っている。
おまけに周辺はあちこちで開発が進められている最中で、写真でも分かるように海側にはドバイ風の(要するにバブリーな)リゾートを建設中。ビル3棟が屋上の船でつながっているという不思議な建物だ。「世界3大ガッカリ」なんて言われてシンガポール政府が奮起したのだろうか。写真には入りきらなかったが、左側に数年前にオープンした観覧車がある。たかが観覧車に乗るのに2000円以上も払ってしまった。
マーライオン周辺で目立ったのはインド人で、華人系の旅行客はなぜかほとんど見かけなかった。日本人の団体旅行客は2組目撃。なんとなく元気がないように見えたのは、ガイドさんの後ろをおとなしく歩いている熟年層中心のグループだったせいだろうか。世界のあちこちで見かける旅行者の顔ぶれでもどことなく時代の移り変わりを感じる。
ちなみに残る2つの「ガッカリ」はブリュッセルの小便小僧とコペンハーゲンの人魚姫と言われている。確かにどちらも納得のガッカリぶりだったが、ひょっとしてマーライオン並みに持ち直しているのだろうか。確か人魚姫は上海万博に出張中だと聞いた。
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