でも、私は「真央ちゃんよくやった!」と嬉しい。シーズン初めのころは絶不調でオリンピック出場も危ぶまれていたのに、よくぞここまで持ち直した。それに何年か前は「ノーミスをして…」という不思議な言い回しをしていた真央ちゃんが、今回は「パーフェクトに滑って」と普通の表現で話していて、そんなところでも成長を感じた。
そりゃね、得点を見ると不可解なことはある。トリプルアクセルを2回も決めた真央ちゃんのフリーは、別のところでミスがあったとはいえ131.72。3位に入ったカナダのロシェット選手は素人目には大技を繰り出したとも思えないのに131.28とそれほど大差がつかなかった。
苦労していたトリプルアクセルが成功してもそれほどポイントに結びつかないなら、もっとラクに効率よくポイントを稼げる内容にできなかったのだろうか。今更何をいっても「たられば」の話になってしまうのだが。
安藤ミキティは手堅くまとめた感じ。4年前の「自分以外は全員敵」みたいなトゲトゲしさがなくなった。何日か前にどこかで「感謝の気持ちを示したい」というような彼女の言葉を読み、4年間での成長を感じて他人事ながら嬉しかった。鈴木選手は会心のパフォーマンスができたみたいで、満足そうな感極まった表情がよかった。日本勢は男女ともに全員入賞だそうで、おめでとうございます。
それにしてもキム・ヨナ選手は強かった。正直に書くと今日のフリー演技は全くといっていいほど印象に残っていない。しかし、007の曲を使ったショートプログラムは本当にうまく構成されていて、私はこれから何年たってもキム・ヨナ選手の名前を聞くと「007のフィギュアスケートの人」として思い出すだろう。それだけ強い印象を残した。振り付けがいいのか、音楽のアレンジがいいのか、それとも彼女自身の良さなのだろうか。金メダルおめでとうございます。