レイキャビクに3軒あるだけだそう。きっと中心部じゃなくて、郊外のショッピングセンターなどにあるのだろう。行けなくて残念だ。別にマクドナルドが好きなわけじゃない。英エコノミスト誌がビッグマック指数というのを発表しているように、マクドナルドは各国間の物価を比較する基準になりやすいからだ。
各種報道によると、原材料の輸入決済はユーロ建てのため、昨今の通貨暴落で仕入れコストが2倍に跳ね上がったそうだ。こんなニュースを読むと、かの国の人々は一体どんな暮らしを強いられているのだろうと思うのだが、一旅行者として8月に訪ねた限りでは、それほどの混乱は感じなかった。90年代初めのハイパーインフレ期の南米の方がずっと混乱していたし、外国人旅行者への影響も百倍くらい大きかったように思う。
アイスランドの体験でいうと、まずNYからレイキャビク間に乗ったアイスランド航空。機内食もイヤホンも有料だった。機内食のことは事前に情報を入手していたので、食料を買い込んで搭乗した。経済危機なんだし、しょうがないか、って気分だった。
しかし、隣の席に座ったのはメキシコでのサマースクール帰りだという10歳の小学生。イヤホンもキッズミールも注文していた。どうみたって、この子よりも私の方が経済危機って感じだ(ちなみに日本について何を知っているか聞いてみたら「いい車を造っているよね」と言っていた)。
アイスランド到着後、中心部までのバスは45分程度で1700クローナ(1200円強)と、円換算しても別にお得感はない。ガソリンは中心部でリッター190クローナ(137円)くらいだったから、日本よりも高い。ホットドッグは150円くらいで日本よりも安いけれど、外食の値段を比べると総じて日本より高いように感じた。そんなわけで、少なくとも私は通貨暴落の影響を実感できなかった。
聞くところによると物価はかなり上昇しているらしく、現地の人の生活がどうなっているのか不思議でしょうがないのだが、『私の人生もう終わりです』なんて暗い顔をしている人は見かけず、生き生きしている人が多かった(若者除く)。むしろ一般的な日本人の方がずっと疲れた顔をしているように思えた。今となっては、アイスランドを旅してきたことが夢のように思える。