2009年10月26日

街なかの隠れ肥満問題

 10年くらい前からだろうか。キャリーバッグとかキャスターケースとかコロコロとか言われる旅行用のカバンを持ち歩く人が増えた。昔は「客室乗務員が持つカバン」として認識されていたアレだ。私はどうもこれが苦手だ。

 歩行者1人が必要とするスペースは、あれを持っているだけでかなり広くなる。例えば、エスカレーターに乗る時だって1段じゃすまない。自分と荷物用に2段必要だ。あるいは自分の脇に置けるかもしれないが、歩いて上る人の邪魔になってしまう。正直言って混雑している場所では邪魔以外の何物でもない。駅のコンコース等で他人の転がすバッグにつまづきそうになったことは何回もある。

 バッグを転がして持ち運びしながら、自分の使っているスペースが後ろに伸びているってことに気づいていない人も多いみたい。目の前で急に曲がって私のつま先をバッグで轢いて行った人もいる(私がトロいのか?)。

 昨日も池袋の地下道でバッグを転がしながら老女の前を横切った女性がいて、老女は足をすくわれて転びそうになった。思わず「あっ、危ない!」と声が出た。幸いにして老女はよろめいたところを通りがかった男性に支えられ、大事には至らなかった。カバンの持ち主も「あっ、すみません、大丈夫ですか?」と老女に謝っていたのでホッとした。

 荷物が多い時にはああいうバッグが便利だってことは十分理解できる。だから「持つな」というつもりはない。でも、あれを持っている時は自分の体の奥行きが数倍になっていることだけは自覚してほしい。あれを転がしている人は太い尻尾が生えているのと同じだ。

 あるいはコンパクトカーを運転しているつもりでも実際はアメリカ映画に出てくる細長いリムジンを運転しているようなもの。どちらを運転しているにしてもF1パイロット(ドライバー)じゃないんだから、コーナーを攻める必要はない。

 ちなみに自分もキャリーケースを持っているのだが出張で1回使っただけ。今は季節外れの服をしまう茶箱代りになっている。
   
posted by らくだ at 19:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする