2009年06月24日

キツネとタヌキの…

 東国原知事が自民党から衆院選への出馬を打診されて「次期総裁候補として…」と条件を出したって話、きのうの段階では『ただ断るんじゃ面白みがないからウケを狙っての発言』なのかと思った。そうしたら本人は出る気満々だったらしい。

 マスコミのはしゃぎっぷりが半端じゃない。○○さんがそう言った、××さんはこういってると、細切れ情報がいろいろ出てくるのだが、正直いって私は根本的なところが理解できていない。

 仮に東国原さんが出馬するとして、次期総裁候補として選挙を戦うってどういうことなんだろう? 自民党に入って「次期総裁選に出ます」って宣言するのが候補? それとも推薦人を20人(だったと記憶している)集めた段階で候補といえるのかな? 東国原さんは推薦人集めとその後の票集めの根回しまで要求しているのだろうか? それとも「神の声」ってことで総裁選抜きで総裁に就任するためのコンセンサス作りをおねだり? 

 彼のスゴイところは腰の低さ、謙虚さ。あそこまでいけば敵をつくりにくい。政治家向きといえるんだろう。でも、私にとっては「選挙をお戦いになるおつもりが…」などと不自然な日本語が不気味だし、心の底では何を考えているんだろうと勘ぐってしまう。

 国政への野心はあっても「自民党をどげんかせんといかん」なんて気持ちがあるとは思えない。そんな人が総裁候補ねぇ。しかも、全国知事会のマニフェストを自民党のマニフェストにすべて盛り込むという条件を出したことで、宮崎県知事の職を任期半ばで辞する言い訳もできる。よく考えられているなぁと感心した。

 彼のやり方は東南アジアやアラブの市場での買い物を思い出させる。最初に値段を聞くとすごい吹っかけてくる。それを十分の一くらいに値切るところから始めて、少しずつ譲歩して値段交渉を成立させるわけ。果たして落とし所はどのあたりなんだろう? 一部で報じられているように総務相のポスト? それにしたってうまい取引だ。

 一方の自民党、のどから手が出るほど欲しいのは東国原さんの人気だけ。政策なんて二の次三の次に思える。もちろん知事会のマニュフェストなんてお荷物でしかない。もともと自民党は宮崎県知事選の際に対立候補を応援していたんだし。東国原人気で選挙を乗り切れると読んでいるんだろうか。有権者も舐められたもんだ。今回の騒動で党内の亀裂はさらに各方面に広がっているみたいで、自民党の末期的症状がひどくなっているように思う。

 こんなキツネとタヌキの化かし合いというか茶番劇は、有権者の1人として情けない。
posted by らくだ at 23:17 | Comment(4) | TrackBack(0) | 国内政治 | 更新情報をチェックする