(1)ウェブはバカと暇人のもの
(2)ITメディアニュース「日本のWebは『残念』梅田望夫さんに聞く(前編)」
(3)ルポ米国発ブログ革命
どれも興味深く読んだ。(1)はタイトルで関心をひくタイプの本といえそうだが、内容も「ネットの世界は気持ち悪すぎる」と言い切っているのは小気味よい。著者がニュースサイトを運営しているとのことなので自虐的な本ともいえそう。「無給で情報をアップする者と、彼らのアップした情報を無料で活用し、カネを得るものが共存する構図」という表現にはわが身を振り返って苦笑させられた。
「ウェブ進化論」で時代の寵児となった?(2)の梅田さんがネット上でボコボコにされたのは昨年の秋だったっけ…。彼のいわんとすることは何となく分からないでもない。
私は今年に入ってから英語圏のブログを以前よりもフォローするようになった。ブックマークしていない新規のブログに限れば、日本語よりも英語を見ている方が多いくらい。感じるのは実名&顔写真出しのブログが多いこと、個人の趣味ブログはもちろん、ある程度アクセスの多いブログでもコメント欄で冷静なやり取りが多いことだ。
たぶん梅田さんの残念感は(3)で紹介されているような動きが日本では見られないことなんだろう。この本はアメリカのメディアと政治におけるブログの話なんだけど、「日本ではしぼんじゃった感のあるWEB2.0という花がアメリカでは見事に咲いたんだ。うらやましいな〜」と思ったもん。
日本もこんな風に(例えばブロガー主催のオフ会に次期首相候補がそろって出席するなど)なるんだろうか、っていうと全く期待していない。なぜかっていうと、梅田さんがかつて期待していた?日本の「最先端・最高峰の一流の人たち」の多くはネットで発信することに価値を見出していないから。むしろネットは「暇人の遊び」と認識して冷やかなまなざしを送っているのではないかな? こんなことを書くと、また(1)の話に戻ってしまうのだけど。
私が自覚している「残念感」は梅田さんとは多分ずいぶん違うものだと思う。私が失望したのは一部の「最先端・最高峰の人たち」だ。そういう「上の人」たちが「情報を無料で活用し、カネを得る」だけに飽き足らず、私の想像をはるかに超えた方法でウェブを悪用するのに心底嫌気がさした。私がもう一つのブログをやめた理由はまさにそこにある。どんな立場の人のどんな行動が私を絶望させたかは、そのうち書くつもり。
とにかく今私はネットの世界に疲れていて、(1)と(2)はタイムリーな内容に感じられてそれぞれ共感できる部分があった。「もう、やってらんね〜」と開き直っていたところへ(3)を読み、喝を入れられた気分だ。
関心のある方はぜひご一読を。順番は(3)を最後にするのをお勧め。取りあえずネットで読める(2)から読んでみてはいかが?