2008年09月29日

9月29日(過去数日)の雑感その他

■内閣支持率
 各社出揃った麻生内閣の第1回世論調査結果。40〜50%強といったところかな。森内閣以来の低さで小泉以来最低という話になっていて、どことなく『低さ』を強調したいような雰囲気。でも、解散・総選挙が目の前にぶら下がっている(といわれる)のを考慮すれば、かなり高いと思った。

 それにしても福田さんのベストポジションが官房長官だったように、麻生さんも首相という座にはどうもピンとこない。それじゃ何が適任だろうと考えるとそれも思い浮かばない。つかみどころのない「党内有力者の一角」というのがいいところ?

 11月の連休に総選挙だと投票率が低下しそうでおもしろくない。それが狙いなんだろうけれど。

 早くも「新党日本」の車が環七を走っているところをみた。有田芳生の名前は連呼しなくても、あれは立派な選挙カーだと思う。

■米金融危機
 10年一昔というように、10年前には「神」とあがめられていたグリーンスパン前FRB議長は今じゃ「戦犯」扱いだ。今考えるとITバブルなんて期間も短く泡も小さく被害はごく軽微だった。不動産バブルはITバブルが始まるずっと前から膨らんでいたのだから。

 私の勝手な想像では前議長はこうなる可能性を十分に知っていたはずだし、ず〜っと前から不動産市場を警戒する発言はしていた。今にしてみれば「市場対話型」の彼の姿勢は、結果としては市場を甘やかしただけだったのかもしれない。グリーンスパンが10年後にどう評価されているか楽しみだ。

 アメリカが公的資金投入といっても、さすがにもう驚かないのだが、ウォール街の前に「bail me out(私を救済して)」というプラカードを持った人たちが集まってデモしている様子をテレビで見て、日本との違いを改めて感じた。日本で金融機関に公的資金を投入して救済した際、大手町や日本橋で「救済するなら私を」なんてデモがあったなんて話を聞いたことはないから。一般的に税金の使い道にはかなり無頓着だし、日本人はかなりこういう問題には何かにつけかなり冷めている。

■クマと話せ!?
 あちこち1人で歩き回っていると「クマに注意」という掲示をよく見かける。注意してもどうなるってもんじゃなく、正直言ってクマに出会わないことを前提に歩き回っている(せっかく注意を促してもらっているのに申し訳ない)。実際にクマが現れたら、どうしていいか分からない。

 そこへ友人が「クマ対策」を教えてくれた。なんでも“クマ博士”と呼ばれている門崎允昭・北海道野生動物研究所所長によると、クマに話しかけるのが有効で、クマに向かって「なんでこんなところにいるんだ」「近寄るな」と大声でいうと、おどおどして退散してくれるそうだ(日刊ゲンダイ9月18日)。いざというときにクマに話しかけられる余裕があるだろうか。たとえ話しかけても「お前こそなんてこんなところにいるんだよ!」という感じで襲われないか、やっぱり不安だ。
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2008年09月27日

硬派転向のテレビに期待

 テレビ関連でごく最近気になるニュースがあった。ゴールデンタイム(午後7時から10時)の視聴率でNHKが上半期にトップになるんだとか(朝日新聞)。記事によると「ニュース7」と「篤姫」と「北京五輪」効果だという。

 それと同時に、10月の番組改編でTBSとテレビ朝日がドキュメンタリーをゴールデンタイムにもってくるというニュースが流れた(産経新聞)。これ結構嬉しい。というのもクイズや大食いなどのバラエティ番組と、他人攻撃のお笑い(といえるのか?)、中継アナウンサーが興奮して騒ぐだけのスポーツ中継にはもううんざりしていた。おバカブームに対しては言葉も見つからない。

 これまで「日本のテレビを最初に見たときすごくショックだった」という外国人に何人か会ったことがある。「最先端の技術の国でどんなアカデミックな放送が見れるのかと期待していたのに、テレビをつけたら野菜の着ぐるみ姿の人が飛んだりはねたりしていて目を疑った」といわれて肩身の狭い思いをしたこともあったっけ。

 今年行ったインドネシアの温泉で、食堂の従業員が客そっちのけで「風雲たけし城」を食い入るように見ていたのも、なんだかちょっと恥ずかしかった。

 そんなわけで10月からのテレビがちょっと楽しみだ。視聴率が大コケして1クールで軟派回帰なんてことにならず、日テレ、フジも硬派路線に突き進むといいのに。スポンサー企業の皆さんもよろしく。
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2008年09月23日

回復

 ジョギングを再開してもいいと言われた日が近づいてきた。考えてみると、夫の骨折を単なる打撲と診断したような医者の言うことだから厳格に守る必要もなさそうだ。ちょっと早めに解禁することにした。

 つい先日まで左右の足の硬さに差があるのが自分でも分かったのだが、今は元に戻った。ストレッチしても違和感はない。何週間も走っていないので今日はウォーキング5キロ弱とチャリ10キロ弱にとどめた。足は問題ない。『あ〜運動したな』って感じたのは体がどうしようもなくなまっているからに違いない。

 明日からジョギング再開。これからは今までよりも丁寧にストレッチしよう。7月頃は「来年の東京マラソンこそ出るぞ!」と鼻息荒く宣言していたのだが、バタバタしていて申し込むのを忘れてしまった。私のフルマラソン復帰は一体いつになるんだろう?
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2008年09月21日

円満旅行の秘訣は別行動にあり

 2週間以上前の発表ながら興味深いアンケート調査を見つけた。題して「夏の旅行先での過ごし方、本音と建前ギャップ調査」(リンク先はPDFファイル)だ。

 調査対象は20代から40代の社会人で、「旅行先で同行者と別行動を取り、それぞれ違う楽しみ方をしてもよい」と考えている人は全体の7割、しかもすべての年齢層で女性の方が男性よりも「別行動」を支持しているのだという。特に40代女性の75%以上が別行動派(男性は56%)なんだとか。

 一般的には「女の買い物なんかに付き合ってらんね〜」という男性が多いのかと思っていたから、結構意外な調査結果だった。うちだけじゃないんだ。

 我が家はかなりの“別行動”夫婦(「別行動」というと聞こえが悪いから「自由行動」と言うのが我が家の決まり)だと思う。限られた日程の旅行なんだから、自分のやりたいことに優先的に時間を使いたいとお互い思っている。

 夫は駅・空港内外を徘徊。私はもっぱら温泉めぐり中心(海外だとハイキング、美術館、市場めぐりも加わる)。旅先で1日中一緒に過ごすのは1週間の旅行で1日か2日程度かも。途中で別々の宿に泊まったり合流したりを繰り返すこともある。3カ月前のインドネシア旅行でも別々に2泊した。よその別行動夫婦は一体どんな過ごし方をしているんだろう。ちょっと興味がある。

 調査によると、旅先での過ごし方が「自分の希望と完全に一致した」という人はすべての年齢層で女性の方が多い。旅行先の場所が希望と完全に一致したのも女性の方が多い。自分の希望する旅先でパートナーとは別行動をして楽しくすごすお仲間が結構いるってことが分かった。
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2008年09月17日

2週間後の骨折判明

 2週間もたってから骨折していたことが判明した。といっても私じゃなくて夫の話。私が肉離れになったのと同じ日、偶然ながら数時間後に夫も別の場所で滑って転んで右上腕部を強打していた。

 翌日に近所の整形外科に一緒に行ったところ、私が全治3週間の肉離れだったのは先日書いた通り。一方の夫は「単なる打撲」と診断され、レントゲン撮影はこちらからお願いして撮ってもらい「骨折していない」と言われた。湿布もこちらから頼んで処方してもらったほど。全体的に「ぜ〜んぜん大したことない」って雰囲気だった。だから私の使い切れなかった18きっぷを消化するために名古屋旅行に出かけたぐらいだ。

 1週間後(先週末)の私の再診の日、夫は来いとは言われていなかったけれど「痛さが続いている」と言って一緒に出かけた。夫への診察は相変わらずで「あと1週間もすれば直ります」という程度。

 ところが、みるみる回復している私をよそに、夫の具合は一向によくならない。右手で引き戸を開ける時に変な姿勢をしているのをみて、幼少期に自分が骨折したときと同じなのを思い出した。嫌な予感がした。

 それで今日は総合病院の整形外科に行くことにした。再びレントゲンを撮ったら「骨折していますね。手術はしなくても大丈夫だと思いますが…」と言われ、三角巾で右手を吊って帰ってきた。なんでこんなに診断が違うんだ!? キツネにつままれるというのはこういうのをいうんだろうか? 打撲と骨折じゃ心理的には偉い違いなのだが、どちらの診断でも「湿布を張る」という治療方法は同じなので大差ないかも。違いは三角巾だけだ。
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2008年09月15日

メリル&リーマン

 なんという連休だろう。リーマン・ブラザーズが破綻し、メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収された。

 十年ほど前、リーマンとメリルの人に別々の場で「日本の金融機関て全般的に経営が危ないんでしょ?」みたいなことを言われたことがある。私は肯定するしかなかった。それがこんなことになるとは想像もしていなかった。そういえば当時は原油相場もバレル当たり8ドル台だったと思う。なんだか歴史の生き証人になった気分だ。

 リーマンは今年の3−5月期決算で上場来初の赤字を計上してからここまでがものすごく早かったな。わずか3カ月。個人的に知っている人だけに限れば地味というか実直というか派手さのない会社で、お気に入りのエコノミストがいて各種レポート類はかなり信頼していた。

 メリルには知り合いも何人かいる。そのまま全員が身売り先に移れるとも思えない。そのうち別会社のメールアドレスから連絡が来るのだろうか。かつてよく使った「米証券最大手メリルリンチ」という言葉が今は懐かしい。
posted by らくだ at 21:22 | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2008年09月13日

肉離れ(その2)

 肉離れになってから1週間。2回目の医者に行った。お風呂(浴槽)はようやく解禁。でもまだゆっくり歩くだけ。なるべく包帯をしたまま、面倒ならサポーターをして、ふくらはぎを保護しておくように言われた。

 ず〜っと湿布を貼っているので既に足はかぶれてかゆくなっている。それについては苦笑で「少し我慢ね」と言われたのみ。

 あと1週間でストレッチを開始、ジョギングを再開できるようになるにはさらに1週間待たなくてはならない。9月の予定が大幅に狂った上、ずっと走っていないので体のキレが恐ろしく悪い。既に1、2キロ太ったような気がする。
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2008年09月10日

自民総裁選…

 自民党総裁選関連のニュースを見ていると、自分も年をとったな〜とシミジミ思う。“増税”という言葉を聞けば、本能的に「この物価高のご時勢に冗談じゃない!」と反発する自分がいる一方、頭の中で「日本の財政を考えれば増税やむなし」なんて思っている官僚みたいな自分がいる。とほほ、情けない。

 それじゃあんたは与謝野支持なの?と尋ねられたら、「とんでもございません」とペコペコしながら3メートルくらい後ずさりしたい。あの5人の中で支持している人はいない。会見ではそれぞれ他の人と違うことを言っているように聞こえるけれど、誰が総裁になっても小泉さんみたいに自由にできるわけじゃなし、それほど違わないと思う。

 麻生さんは推薦人が集まりすぎて困るほどの人気ぶりという。それにしてはキワモノオーラというかオタク向けカリスマ性みたいなものが一時に比べて弱まっているような気がする。一般的に言えば覇気が感じられないというかパワーが低下しているというか。これで支持率の高いうちに解散&総選挙なんていう話がまことしやかに語られているのだが、自民党を率いて戦い抜く余力はあるのか心配だ。おっと私は自民支持者じゃないから心配しなくていいんだった。

 結局のところ、オリンピックも自民総裁選もテンション高く騒いでいるのはマスコミだけだ。これで早々に選挙なんてあった日にゃ、どうなるのか恐ろしい。
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2008年09月09日

なぜか今「せんとくん」

 先週、大阪で会った知人と話をしていたら、ふと「せんとくん」の話題になった。例の平安遷都1300年祭のマスコットキャラクターだ。

 知人は「なにあれ!?」「あんなのが一大イベントのマスコットになりえるわけがない!」とボロクソにこき下ろし、気がつくとなぜか私は「せんとくん」の擁護をしていた。あれ? 自分でも訳が分からない。だって3月7日のエントリー「クレーム対応のお手本」でこう書いている。
奈良の平安遷都1300年祭のマスコットキャラクターが「角の生えた童子」に決まったという報道(と実物のイラスト)は何日か前に見て、正直言って「うっ…」と言葉に詰まる感じだった。
 それなのにどうして私は「せんとくん」の味方になっちゃったんだろう。考えてみた。

 まず、あのグロテスクともいえる姿を見慣れたっていうのもある。違和感を覚えなくなってきた。ちょっと前の言葉だと「キモカワ」ってところだろうか。でも、それだけじゃない。対抗キャラクターの「まんとくん」を見て、その底の浅さ(といったら失礼かもしれないが…)に気づいちゃったんだよね。

 要するにイベントのキャラクターは「かわいくて当然」「かわいくなければいけない」という思い込みがあって、サンリオのファンシー商品みたいなものを思い描いていた。まず「かわいらしさありき」という私の先入観に「せんとくん」は一石を投じた。ど真ん中にきた。

 今にして思えば、さすが芸術家の作品だけある(と書けちゃう自分の転向ぶりがちょっと恥ずかしい)。選考委員が何を基準に選んだのかは知らないけれど。

 「せんとくん」の個性は同様のマスコットキャラクターの中で突出していて見飽きない。なんていうのかな、「噛めば噛むほど味が出るスルメ」みたいだ。悪いけれど「まんとくん」にはそういう味わいはない。というわけで、私はスルメキャラの「せんとくん」のファンになってしまった。

 それでも「せんとくん」を「キモい」「グロい」「最低」という人たちに対しては、誰かさんみたいに「私はね、あなたとは違うんです」と申し上げるしかない。  
posted by らくだ at 00:05 | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする

2008年09月07日

冒険小説ランキング

 gooランキングの「子どものころに胸をときめかせた冒険小説ランキング」というのを友人に教えてもらった。ほとんど全部読んでいる。

 ランキングで2位になっている「十五少年漂流記」が私にとっては1位だな。ブリアンはマイヒーローだったし、読みながらマジで『私も混ぜて!』って思って何回も繰り返し読んだ。ニュージーランドという国があることを初めて知ったのもこの本を読んだからだ。

 次点は「ロビンソン・クルーソー」か「ドリトル先生」か迷うところ。どちらかといえば「ロビンソン・クルーソー」かな。ロビンソン・クルーソーの持ち物をノートに書き写して暗記していた。あのころは「漂流願望」みたいなものがあって、『いつか漂流したときに役に立つかもしれない』なんて真剣に思っていたような気がする。

 ドリトル先生シリーズは、なんといっても2作目の航海記が面白かった。冒険小説として読んでいたわけじゃなくて、動物の言葉を話すお医者さんが出てくる“おとぎ話”みたいに思っていた。各登場動物のキャラクターが丁寧に書き込まれていて楽しめた。

 「ドリトル先生」が英語ではDr. Dolittleだと知ったのは大人になってからだ。これを「ドリトル先生」と日本式にピタリと訳した井伏 鱒二のセンスに感服した。「原住民に対する差別的な部分があり問題だ」なんて騒いでいる人の存在を知ったのも大人になってから。子どものころはそんなことまったく意識していなかったから驚いた(それは「ちびくろサンボ」も同じことだ)。

 その他ランキングで特に好きなのは宝島、海底2万海里といったところかな。どうも私のツボは漂流物にあるらしい。トム・ソーヤーとハックは夢中になるところまでいかなかった。
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2008年09月06日

大阪の夜景

 大阪の梅田スカイビルに初めて行ってきた。目的は40階にある空中庭園展望台。“庭園”とは名ばかりの普通の展望台ながら、眺めは予想以上に良く、夜景もキレイだった。

 伊丹に向かって降りていく飛行機が次から次にやってきて、『こんなんで伊丹空港を廃止なんてできるのかな』と思った。

夜景1

夜景2

夜景3

 この3枚はデジカメの時刻表示によると、6時36分から6時47分のわずか11分間に撮ったもの。三脚を据えたままにしたわけじゃない。あちこちフラフラ歩き回りながら手持ちで撮った割にはほぼ同じ位置で撮れていた。

 それにしても大阪の中心部って緑地が少ない。だから夜景がキレイなんだろうけれど。東京はど真ん中に皇居なんていうものがあるから特殊なのかな。名古屋がどんな感じだったか、ちょっと思い出せない。
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2008年09月05日

肉離れ

 生まれて初めて肉離れになった。トレーニング中になったわけじゃない。普通に電車を降りる際、左足のふくらはぎがピキッといったような気がした。足をついたら激痛で体重をかけられない。アキレス腱伸ばしの姿勢ができない。筋肉がどうにかなってしまったようだ。よちよち歩いて階段を上り下りし自宅に帰ってきた。

 多分これが肉離れというものなんだろうと思って医者に行ったら、下腿三頭筋の肉離れで症状としては結構ひどい部類に入るらしい。1週間安静、風呂禁止(シャワーのみ可)全治3週間ということで、これからの計画が大幅に狂ってしまった。

 しかもこういうときに限って「温泉行かない? レンタカー乗せてあげるよ」などという魅惑的なお誘いがあり、身もだえしている。
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2008年09月01日

ヨダレ青年と3人のオバサン

 静岡県をロングシートの電車で移動中、右隣に座った男性がググッともたれかかってきた。最初は電車の揺れに合わせてこちらに揺らいでくる程度だったのだが、そのうちず〜っと傾いたままになり、かなり重たくのしかかってきた。

 昔々その昔の高校時代に「電車で寄りかかって来る人」の話でクラスメートと盛り上がったことがある。学年で一番の美人と誰もが認めていたKちゃんが、「そんなの肘でグイッて押し返すに決まってるじゃない!」とバッサリ切って捨て、『美しい人はそんなことができるんだ。強くていいなぁ。あたしゃとてもそんなことできない』と感心したことを久しぶりに思い出した。

 私の対応ときたら、(1)疲れているんだろうから、とそのまま我慢する(2)電車が停止する時あるいは発車する時の揺れに合わせてそっと押し返す(3)少し前にずれて座る−−のいずれかだ。それは高校時代もオバサンになった今も変わっていない。

 で、きょうはどうしたかっていうと、ちょっと違った。ちらっと見たら、学生とおぼしき青年はかなりお疲れなのか、口をだらしなく開けて熟睡している。しかもその口元からはヨダレがツ〜とポロシャツに落ちている。

 この様子じゃ、電車の揺れに合そっと押し戻すぐらいじゃ効き目なさそうだ。それに私が前にずれて座っても、その人が倒れてきたら私の背中にヨダレがつくかもしれない。しかも、その人の頭からはどことなく不快な匂いが漂ってくる。つまり臭い。

 重さと匂いのダブルパンチはつらすぎる。乗り換え駅まであと30分あまりあるのだが、このまま座っているよりはマシと思って立つことにした。

 次の瞬間、斜め前方で背中を向けていた派手な服装のオバサン3人組が「あ、あいた!」とこちら目掛けて突進してきた。(私はドア際に移ったので、以下はすべて背後で聞こえた会話の内容)3人でひとしきり遠慮しあった末に1人が座ったが、ものの数分もしないうちに1人が「なんか臭くない?」と言い出した。最初は「えっ、そうかしら?」などと言っていたオバサンたち、そのうち匂いの元が分かったのか青年に目をつけたらしい。「ちょっと奥さん見て」、「あら汚い」なんて声があたりに響きわたった。

 なんだか自分の粗相を指摘されているようで、こっちが恥ずかしくてドキドキしちゃった。怖くてとても後ろを振り向けなかったのだが、あの青年はそのまま眠っていたのだろうか? (そのまま何も知らずに眠っていてほしかった)
 
 「3本の矢」じゃないけれど、オバサンが3人集まるとすごいパワーが出るもんだと感心した。1人じゃとても無理だけど、あと2人仲間がいたら私もあんな「おばさん力」(オバサンリョクと読んでください)が出せたかな? ちょっと自信がない。3人はオバサンとしては私よりも少し先輩に見えたから、あと数年であの境地に達するのだろうか。 
posted by らくだ at 21:23 | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする