まず、盗作の被害にあったのは5月14日付の「日本ブランド」という記事。これを福島中央テレビの大野修アナウンサーがパクっていたことが発覚(パクリ記事はすでに削除されているがウェブ魚拓で残っている)。同アナウンサーは2カ月の懲戒休職の末、配置換えとなった。このパクリでアナウンサーとしてのキャリアを棒にふった訳だ(福島中央テレビの発表)。
ここまでならよくある話(本当はあっちゃいけないんだけど…)。それがややこしくなったのは、植草さんがブログ「知られざる真実」の5月25日付の記事で、盗作騒動の被害者であるぐっちーさんの「記事捏造疑惑」を指摘したから。
要するに、ぐっちーさんは植草さんの東京地裁での裁判で証人になったとか、2006年9月14日に実際に接見したなどと書いていたが、植草さんは事実無根だと反撃したのだ。なぜ今になってこんな話が出てくるのか不明ながら、当のぐっちーさんがこの件に関して沈黙を守り、5月27日付の最新エントリー「今回の騒動について」で、「いづれにせよ、ひとつ痛烈に感じたことは、私はこのブログはてめーのもんでいつ何をやろうと、俺の勝手だろくらいに思っていたんですが、これだけの方の応援やお叱りが集まるとなると、その考えも変えないとまずいな、ということです」と曖昧な言い訳をしている上、新規のコメントが一切掲載されていない(承認していない)ことから判断して、この件に関しては植草さんが正しいといえそうだ。
そういう目で読むと、ぐっちーさんがマンデル教授と小泉元首相の通訳を務めたとかいう話もウソっぽく見えてきちゃうのはしょうがない。多分、このぐっちーさんという人は、自分の予想以上にブログが人気になり、もっと面白い記事への期待を感じつつサービス精神を発揮していくうちに実体以上に自分を大物に見せることになってしまったのではないだろうか。
このぐっちーさん、ブログ界ではハンドルで活躍しているのに証券マンとしてテレビにも出演しているから所属も本名も広く知られている。ただし会社の業務でブログを書いているわけではなく、あくまで個人の趣味。そういう意味ではブロガーとしては中途半端といえるのかもしれない。
業務ではなく趣味で書いているブログだから「てめーのもんで何をやろうと勝手」といえばその通りなのだが、人気ブロガーになるとそれが許されなくなるということを本人は自覚していなかったに違いない。書くことで直接報酬を得るわけじゃなくてタダで読ませてあげているんだから、みたいな考え方だったのかな。長年かけてつかんだ読者と信頼を失うのはほんの一瞬だ。
ただ、正直に書くとぐっちーさんにはわずかながら同情する。私自身、ブログに疲れているのかもしれない。