誤字脱字が多くかなり興奮して書いたと察せられるそのメール、なぜかすごい剣幕で怒っている。内容を要約すると「お前のところにメールで予約したのに、実際に行ったら予約なんて入っていないと言われて追い払われたせいで、それから泊まるところを探す羽目になり、エライ目に遭った」というもの。それでその弁償として4万なにがしかの金額を振り込めと銀行口座と名義が書いてある。
は? 送信先を間違えたメールか新手の振り込めサギに違いないと判断して、サクッと削除した。ところがそのあと、スパムメールフォルダをチェックしていたら、その人からの1通目のメールを発見してしまった。件名「3月22日2名1泊予約希望」でメールを開くと本文には漢字二文字の苗字が書いてあるだけ。
この人は私をどこかの温泉旅館の人間だと思い込み、このメールで宿泊予約したつもりになっていて、実際に現地に行ったら「そんな予約いただいていませんよ」って言われて泊まれなかったってことらしい(あくまで想像)。
しかし、メールで予約したら予約確認の返信ぐらい来るだろうって思わないのだろうか? 思わないから行ってしまったのか…。しかし最初のメールだけだと一体どこのなんていう旅館だかホテルに宛てたメールなのかすら分からない。
温泉のサイトやブログをやっているせいで、メールやブログのコメント書き込みで宿泊予約を試みた人は他にもけっこういる。でも、これまではメール本文がもっと長かったせいかスパムに振り分けられたことはなかった。私は面倒くさいと思いながらも全てに「私にメールを送っても(ブログに書き込んでも)予約はできません」て返信して事なきを得ていた。
さて、今回はどうしよう。ここまで思い込みが激しい人は前例がない。なんて返事を書けば刺激しないで穏便に済ませられるだろうか。3月7日の「クレーム対応のお手本」で書いた薮内教授に倣って「長い目で見守っていただけませんか」なんて書いたら、ますます怒らせてしまいそうだ。渋々とメールを書き始めたのだが、どうも気が進まず指が動かない。
それどころか、いったん自分の中で消した「振り込めサギ」の可能性が頭の中でふと復活したりして、『もし新手のサギだとしたら返事なんか書いたら笑いものだよな〜』なんて考え出すと、どこまでも怪しく思えてくる。ネットの世界でスレすぎちゃったかもしれない。