2007年10月21日

抜鈎前日

 金曜日に夫が自宅に戻って以降、病室に来たついでに雑談をしていくナースが多い。私が寂しがっているんじゃないかと気を使ってくれているだけじゃなく、「開腹手術をしたのに一言も“痛い”と言わなかった極めて珍しい患者」に興味があるようだ。

 自分でもおかしいと思ったのよね。事前にネットで入院・手術の体験記をいくつも読んだのに、いざ自分の番となったら読んでたのと全然違ってラクなんだもの。「痛くないですか?」って尋ねられるたびに「いいえ」「別に…」「大丈夫です」と沢尻エリカみたいな無愛想な返事をし、そのたびに怪訝な顔をされてきた。

 複数のナースによると、傷口のガーゼを術後2日で取って自分で傷口を視認している患者は私くらいしかいないらしい。でもね、18日の昼間担当のナースが、「もう全身シャワー浴びていいですよ。傷口のガーゼも取って構いません」と言ったので、素直にそれに従っただけなんだけどな。

 で、その傷口がどうなっているかというと、ほとんどむき出し状態。いちおう腹帯というのを巻いているんだけど、寝たり起きたり歩いたりしているうちにどんどんずり上がってきて、気がつくとウエストの周りでクルクル回っていたりする。

 この病院、設備とかいいのに治療は結構ワイルドで私向きかもしれないな〜と思っていたら、ワイルドなのは病院じゃなくて私だったみたいだ。

 というのも、ほかの患者は「ガーゼを取ってもいいですよ」と言われても、シャワーを浴びるとすぐにナースコールをして「ガーゼをお願いします」って頼んでいるそうだ。そんなの全然知らなかった。“普通の人”は自分の傷口が怖くて見られないんだって。「え〜っ、私なんて縫い目を数えちゃった。13あるからちょっと不吉だなぁと思って…」という話をすると、ナースはみなビックリする。

 私は自分の体がどうなっているか自分の目で確かめたいだけなんだけど。「フランケンシュタインのおでこみたいだな」って思ったものの、気持ち悪いとか怖いなんて感情はまったくない。手持ちのどの水着なら着られそうかとか、早くもそんなことを考えているところだ。

 明日はいよいよ抜鈎(抜糸)。傷口にテープはってくれるんだろうか?
posted by らくだ at 22:25 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする