2006年12月30日

「スルー力」はほどほどに

 ここ数カ月、ブロガーの間で密か(でもないか)に「スルー力(するーりょく)」という言葉が流行っているらしい。ウェブ進化論の著者、梅田望夫さんのブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」では11月20日付の記事「スルー力の重要性」で取り上げている。私が知ったのはつい最近のことだ。「スルー力」どころか「スルー」という言葉も知らないという人は、梅田さんのブログを参照してほしい。

 掲示板やブログを何年かやっていれば、どこからともなくヘンな人が湧いてきて、その場の空気を無視した無神経な書き込みをされ、雰囲気をぶち壊された経験をしたことのある人は少なくないはず。

 私は「スルー力」が欠如した人間だから、ついつい正面からそういう人の相手をしちゃってさらに疲れが増すってことを繰り返してきた。ハググさんに何回「らくださん、リラ〜ックス〜」って合言葉をかけてもらったことか…。そのたびに『はっ、いけない、またやっちゃった』と反省することの繰り返しだ。まったく学習力がない。

 でもさ、もし「スルー力」を身につけたら怖いもんなし。悪意のこもった書き込み、無神経な投稿、すべて見なかったことにできるわけ。ネット上で消耗せずに活動することができそうだ。「イタイの、ウザイの、空気読めないの、みんなまとめてかかって来な!」と大見得を切れるかもしれない(って、全然スルーしてないか…)。

 よし、来年の目標は「スルー力」を身につけることだ!と鼻息荒く宣言しようと思ったところで、ちょっと待てよ…という気になった。「スルー力」というのはブロガー(発信者)にとってはマイティパワーだけど、読者が「スルー力」を身につけたらどうなっちゃうんだろう? 「スルー力」のある読者なら何を読んでも「ふ〜ん」と素通りしていきそう。そうしたら、誰もコメントなんて寄せなくなりそうだ。

 つまり、ブロガーが「スルー力」を身に着けたほうがいいのは当然として、読者側への要望としては「良い読者は『スルー力』なんて身に着けなくていいですよ、悪い訪問者はは『スルー力』を身に着けて(私のブログをスルーして)くださいね」ということになる。ちょっと虫が良すぎるか。

 そう考えてみると、良い訪問者と悪い訪問者は両方で1セットになっているような気がしてきた。ブロガーにとって「招かざる客」は一種の必要悪なのかもしれない。で、「スルー力」を身につけすぎても面白くなさそうだから、何事もほどほどにすることを目標にしよう。
  
タグ:スルー力
posted by らくだ at 21:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする