2006年12月23日

営業メールの達人

 いつの間にか口説き落とされてしまった。といっても私のことだから、もちろん艶っぽい話ではない。営業メールにやられちゃったのだ。

 ウェブ上に自分の居場所を作ってから4年余りにもなると、いろいろとメールが届く。「うちの広告を載せませんか」というメールは、最低でも月に数通はもらっている。最初はすべてのメールに返信していたのだが、最近ではそのままにしちゃって返信を送らなくなってしまった。

 そんな中、先日つい返信を送ってしまったメールがある。これまでに来たほかのメールはすべて『同一内容のメールを多数の人に送っているな』と思うものばかりだったのだが、そのメールは私のサイトの感想を事細かに記してあった。その上で「クライアント企業の○○社があなたのサイトに広告を出稿したいと希望しているので検討してもらえないでしょうか?」と書き添えられていた。

 広告は現在導入しているグーグルとアマゾンで十分だと思っているし、グーグルのでその企業と同じような似たような広告が出るから競合してしまう。グーグルから禁止されていると思ったし、もともと出稿する気もなかった。丁寧にサイトを読んで感想をくれたことに感謝を伝えるとともに、「グーグルの規約で禁止されていると思うので遠慮させてください」と返事を出した。

 そうしたら翌日また返事が来た。「こちらでグーグルの規約を調べましたが大丈夫です」として規約のページにリンクを張ってあったほか、実際に両方の広告を載せているサイトまで紹介してある。さらに「広告はテキストリンクにすると高い効果が望める」とか、細やかなアドバイスが書かれていた。

 個人的なこともさらりと書いてあって、元バックパッカーだと知った。どこかで出会っていたかもしれない。少なくとも同じ空気を吸ったことのある人らしい。旅の醍醐味は「名所旧跡や名物料理よりも人間」という私の考え方に共感してくれたのは素直に嬉しかった。

 この人、業務とプライベートをメールの中に織り交ぜるバランスが絶妙なんだよね。ビジネス一辺倒でガチガチじゃないのに、くだけすぎてもいない。多数送られてくる営業メールの中で、送り手の姿がおぼろげながら思い描けたのは今回が初めてだった。

 自分を振り返ってみると、業務で書くメールは全く無味乾燥。これまで無視してきた営業メールと変わらないってことに気づいた。う〜ん、でも自分にはこんなメールを書く才能はない。

 何回かメールをやりとりした結果、気がついたら広告を載せることになっていた。個人的な相性もあるかもしれないが、とにかく他の人のメールとは一味も二味も違ったことだけは確か。

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posted by らくだ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする