ブログ界では既に数日前に話題になった古い話なのだが、ライターの乙武洋匡さんのブログが炎上した。7日のエントリー「
紀子さま出産」に寄せられたコメントは、これを書いている10日の夜10時半すぎで1517件。彼は7日のうちに「
深くお詫びします」というエントリーをアップして低姿勢で謝罪している。それでもコメントには歯止めがかからず3299件もついている。
最初のエントリーは確かに説明不足というか、プロの文章としては何か物足りない。それでもこんなに不特定多数の人から怒りをぶつけられなくちゃいけないことなんだろうか? 寄せられたコメントの一部を読んだら、人格やら身体的特長を中傷するようなものがあって気分が悪くなり、すぐにやめてしまった。
もし私が問題となったエントリーと同じものを書いたとしたって、寄せられるコメントはせいぜい数件だろう。懸命な読者が「またバカなことを書いてますね」っていう感じでたしなめてくれるかもしれないけれど、ここまで叩かれることはないはずだ。
名もなき大衆は有名人に厳しい。有名人が実名を出してモノを書くってことは、商業用の文章ではないにしても神経を使わなくちゃならない。ネット社会って何かと便利だけど、それと同時にいつも誰かが誰かを監視しているような窮屈さも覚える。特に一定年齢以上のマスコミの人と話すと、古き良き時代を懐かしんでいる人が多い。そうだよね。昔は高みから好き放題にニュースを伝えられたけど、今は何かポカやると2ちゃんねるや個人のブログで叩きのめされちゃうもんね。
私が「ご出産」について書かなかったのは、たまたま民放テレビで特別番組を一瞬見た際、たまたま「親王さま、秋篠宮さま分からず『おぎゃあ』」などというテロップが出ていて、『生まれたばかりの赤ん坊に父親が分かるはずないじゃん!』とバカバカしくなっちゃったからだ。
正直にいう(書く)と、私はそもそも天皇制についてよく理解していない。たとえばテストで「天皇は国民の○○」という穴埋め問題があったら自信を持って「象徴」と書けるよ。でも、「それでは国民の象徴とは何かを述べなさい」なんていう論述問題が出たら、すらすらと回答できる自信は皆無だ。