先日タイへ行ったときも、まったく知らない人にお世話になった。別のところに書いているコラムに、その人がコメントしてくれたのがきっかけだった。
「タイに来るときは連絡ください」という書き込みをいただいたので、軽い気持ちで公共交通機関の使い方を尋ねたところ、案内してくれるという。ここんとこの感覚が私には分からず、先方がまったくの善意で提案してくれているのに「旅行業の方ですか? おいくらになりますか?」みたいな失礼な返事を差し上げてしまった。
結局は送迎つきで2日にわたってあちこち案内していただき、当初計画以上の取材ができた。要所要所で「すみません、○○のことを聞いていだだけます?」などと、通訳までお願いしてしまった図々しい私だ。
先週末もネットで知り合った方に大阪を案内していただいた。私の行きたいところに連れてってもらって、お勧めのお店にも案内してもらって、しかもお土産つきだった…。
こうして次々に手を差し伸べてくれる人がいるのってすっごく嬉しい半面、『たとえ逆の立場になったとしても、私にはこういう人たちの真似はできないなぁ。何もお返しできないじゃん』と思ったりもして、自分の中ではちょっと悶々としているところだ。
ちょうど仕事でお世話になっている大先輩から別件でメールが来たので、その返事に少しだけこのことを書いてみたら、きょう返事が来た。一部だけ引用しちゃう。
気にすることはない。その人たちは君自身というよりも、これまで君がネット上で書いたことを称賛しているのだから。これまで書いてきたことへのご褒美だと思いなさい。それでも有り余ると思うのなら、君にできるのはもっと書くこと以外にない。なんてまっとうな意見なんだろう。そうだよな。同じことしなくちゃいけないなんて、不可能なこと考えてもしょうがないのだ。しかし、最近書くことをサボってばかりの私、「もっと書くこと」というのは、ちょっと痛いところをつかれた。