2006年03月15日

「他人を見下す若者たち」

他人を見下す若者たち 日曜日に新聞でこの他人を見下す若者たち(速水敏彦著)の広告を見て、「自分以外はバカの時代!」というコピーがなぜか頭に残り、きのう書店で見かけて買ってしまった。

 読んで初めて分かった。この「自分以外はバカの時代!」という言葉は吉岡忍が2003年7月9日の夕刊に寄稿した小論のタイトルだった。要するに借り物。コピーの使い方がうまいな〜。つい引っかかって?しまった。

 なんでこの本に関心を持ったかというと、若者かどうかは別として、他人を見下す人が増えているように漠然と感じていたからだ。ネット上でも「自分だけは絶対に正しくて、周りが全員間違っている」みたいに熱くなっている人に出くわすことがある。

 で、そういう人への対処法が分かるかなと思って読んでみた。結果としては対処法は分からなかったものの、フムフムなるほどと思いながら一通り読んだ。それなりにおもしろかった。

 筆者がいうには、怒りを頻繁に感じる子供が増えている。物質的に恵まれて、我慢を知らない子、思い通りになる子が増えてきたのが背景だという。そして「やる気」というか上昇志向がなくなり、他人を軽視することで自分が優位にあるように思い込む(筆者はこれを「仮想的有能感」と表現)人たちが増えているというのだ。

 その解決方法とは(1)しつけの回復(2)自尊感情の強化(3)他人と直接交流する場を増やす−だそうだ。仮想的有能感の解説は詳しくて読み出があるのだが、解決方法はさらりとしている。結局のところ、人と人との関係が希薄になっているのがすべてのような気がした。
posted by らくだ at 23:31 | Comment(6) | TrackBack(0) | 書評・芸能など | 更新情報をチェックする