ちらっと見たときは、まったく知らない歌手がが知らない歌を歌っていた。若者に人気の歌手なんだろう。そうかといってNHKが全面的に若者を意識しているかっていうと、断じてそんなことはない。私が子どものときと同じような応援風景があったりするし、紅白歌合戦しか出番のないような「大物歌手」が出場していたりする。
要するにNHKとしては、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで一緒に楽しめる番組を目指しているのだろうけれど、八方美人的な番組作りもここまでいくとついていけない。みのもんたと仲間由紀江の共存に象徴されるチグハグ感が全体的に漂っていて、『うわっ、なんかいけないものを見てしまった』という気持ちになり、じっくり見る気になれなかった。
NHKが自らを変えるつもりがあるのだったら、制作費不正流用の舞台ともなった紅白歌合戦をいっそやめることも検討してみたらいいのに。「昔のやり方では数字が取れないから、少し民放テイストを取り込んでみました」みたいな中途半端な番組作りはどうも苦手だ。