2005年12月16日

回復期の老人はわがままだ

 入院というのは、もちろん本人が一番つらいものだと思うのだが、家族だってそれなりにエネルギーを使う。病院に縁のなかった私は右往左往の毎日だ。父の入院から1カ月余り。ここにきてめきめきと回復して年内に退院できる見通しになったのはめでたいが、それにつれて注文も多くなってきた。

「年賀状の印刷を頼んでおいてくれ」なんていうのは分かる。多いのはおやつの要望だ。「みかんを買ってきてくれ」「今度はバナナだ」「チョコレートが食べたい。アメリカのハーシーのやつ」「キャラメルと飴だ」と、老人とは思えないリクエストが寄せられる。クスリの副作用で糖尿病になる恐れもあると聞いていたのに、「食べ過ぎなければ大丈夫だと言われている!」と断言する。

 それならいいでしょう、と言われるままに運び屋をやっていたのだが、病室内の冷蔵庫の中にお菓子の空き箱、空き袋が入っているのに気がついた。聞くと「部屋のゴミ箱に捨てると、お菓子を食べているのがバレるから隠しておいた」と悪びれる様子もない。担当医が大丈夫と許可してくれたなんてウソなのだ。

 着る物にもうるさい。病室内が結構寒いというからフリースのガウンを持って行き、外出許可がおりたから出かけると聞いてユニクロでエアーテックジャケットを買って行った。言うことはいつも同じ。「ジジイくさいなぁ」。う〜ん、ユニクロでジジイくさかったら、GAP KIDSあたりに行けってことか。こっちはプチギレして「360度どこから見ても(ジジイなんだから)大丈夫! それともあたしのこの赤いダウンと交換する?」と反論を許さない口調でピシリと言って置いてきた。

 そしたら次は電話攻撃だ。「以前利用した旅行会社の電話番号を調べてくれ」。もしやもしや、退院したらまたネパールやパキスタンの山を歩くつもりじゃ…。うちの老人が元気を取り戻しつつあるのはありがたいとはいえ、あたしゃそれに反比例するかのように元気を吸い取られてしぼんでいく感じだ。 
posted by らくだ at 22:32 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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