2005年11月23日

「ミイラ鳥」

 日本語を勉強している友人からメールが来た。原文は英語なのだが「ミイラトリってどんな鳥?」と書いてある。思わず笑ってしまったのだが、本人には深刻な問題だった。

 通っている語学学校のリスニング試験で「ミイラトリ」という表現が出てきたのだが、それまでは考古学とか鳥とかミイラには一切関係ない話をしていたのだという。いきなり「ミイラトリ」の話になって意味が分からなくなり、パニックになってそこからは何が何だか分からなくなってテストが終わってしまったそうだ。

 いや〜、それは「ミイラトリ」じゃなくて「ミイラ取りがミイラになる」ということわざだよと意味を説明したら、さらに返事が来た。「一体どのミイラの話なんだ? 日本の発掘隊がエジプトに行って遭難したとかそういう事実に基づいているのか?」と書いてある。

 どんな故事に基づいているかなんて知らないし考えたこともない。一瞬、彼のために調べてあげようかとも思ったが、時間がかかりそうだからやめておいた。

 理屈っぽい人はいるんだよな。「日本人は体育館のことを『たいくかん』と読むのに、『たいいくかん』と入力しないと漢字変換できない。なぜ『たいいくかん』と正しく発音しないのか」とか、「四時はなぜ『よんじ』じゃなくて『よじ』なのか」、「『紅葉』には『もみじ』と『こうよう』の二通りの読み方があるが、日本人はどうやって読み分けているのか」−などなど。

 あたしゃ日本語教師じゃないからそんなの知らないってば。日本人はそんなこと考えずに話したり書いたりしているんだし。どの言葉だって同じだ。語学の勉強って、何でも理詰めで考える理屈っぽい人にはあまり向かないような気がする。なるべくその言葉を読んで、聞いて、話して、書いて、とにかく自然と体で覚えるのが一番だ。
posted by らくだ at 23:29 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする