朝日新聞の新党結成をめぐる報道で、事実と異なる部分があったことが明らかになった。康夫ちゃんに取材をしないまま取材メモを書いて社内回覧していた記者がクビにされた(
朝日の説明)。読者をとことんバカにした話だ(あたしゃ朝日を購読していない)。
でも、これって氷山の一角なんじゃないの?っていう気がする。まったくの個人的な憶測で、関係者に話を聞いたわけじゃないけどね。そもそも、今回の問題が明るみに出たのは、23日の康夫ちゃんの記者会見だ。康夫ちゃんの会見は全文が長野県のホームページで公開されている。
今回の会見録の最後のほうに「なお、1点だけ朝日新聞の方にご校正をお願い申し上げたいというか不快感を表明させていただきたいと思います」と始まり、21日と22日の朝日紙面で康夫ちゃんと亀が実際には東京で会談したにもかかわらず、長野県で会談したと伝えられたことが出てくる。
これを読む限り、康夫ちゃんが問題にしているのは亀と会った場所が長野県なのか東京なのかという点だけだ。
朝日新聞が記事中から削除した部分の中にある「田中氏は20日、『民主党だけでなくいろいろな政党に友人がいる』と周囲に漏らしていた」とか「田中氏はうなずかず、こう反論した。『亀井さんも、いろいろ大変かもしれないけど、郵便局を守れっていうだけでは選挙に負けますよ。サラリーマン増税反対とか、もっと言うことがあるでしょう』」 という表現にはこだわっていないのだ。クビになった記者は、康夫ちゃんのこれまでの発言をまとめたそうだから、康夫ちゃんの考えとしては整合性が取れているんだろう。
会談場所が長野か東京かという問題は記事の根幹部分じゃない。康夫ちゃんにとっては大切なのかもしれないが、大方の読者にとっては多分どうでもいい話だ。ひょっとして康夫ちゃんが電話で苦情を言っていたら「まぁまぁ、ここはひとつ穏便に…」という感じで、朝日お得意?の「すり合わせ」の出番だったかもしれない。
今回はマスコミ他社もそろっている知事会見の場で指摘された上、ホームページ上で一般公開されてしまったから、社内で追求しないわけにいかなくなったんだろう。でも、取材に応じた一般人や事件の当事者が「事実と違うことが紙面に出た」と苦情を言った場合はきちんと対応をしてもらえるんだろうか。はなはだ疑問だ。『どうせ訂正してくれないだろうな』と最初からあきらめて泣き寝入りする人だっていると思う。
メモを書いた記者をバッサリ懲戒解雇っていうのにも驚いた。会見録を読む限りでは、康夫ちゃんはそこまで要求しているようには見えない。朝日だって記事そのものを取り消したわけじゃない。クビにしたっていうのは、取材対象者と読者に迷惑をかけたっていう理由よりも、捏造メモを社内に回した結果、それを使って記事を書いた政治部記者に恥をかかせたっていう社内要因のほうが大きいのではないかと、ついつい勘ぐってしまう私だ。