2005年05月06日

マスコミの事故報道

 福知山線の衝突事故、あまりにも衝撃が大きかったのでテレビや新聞の報道を熱心に追ってきたのだが、ここにきてあまり見ないようにしている。というのも、アナウンサーが深刻な顔で「新事実が明らかになった」という内容は、事故のあった日の「ボウリング大会の結果が翌日まで職場に張り出されていた」とか「ボウリング大会後の宴会に参加していたのは当初伝えられていたよりも5人多かった」とか「ボウリング大会参加者の13人が事故を知っていた」とか、そんなのばかりだからだ。

 確かに悪いのはJR西日本だし、社内であのような大事故が起きているのにボウリングなんてしているのは不謹慎だ。でも、トップニュースで「新事実」とか言って人数が違うとかスコアが張ってあったとか大げさに伝える価値があるんだろうか。どうも本筋から離れてきているような気がしてならない。

 記者会見の様子も見苦しい。テレビで見ただけだし、そんなに何回も見たわけじゃないのだが、恐ろしく乱暴な口調で詰問する記者がいる(ごく一部だとは思うけど)。置き石説などに翻弄されたイライラもあるのだろうし、被害者を代表しているつもりかもしれない。とはいえ、遺族がJR西幹部に食って掛かるのとは立場が違うはず。あれじゃ社会の木鐸というよりも単なるやっちゃんだ。こういうときこそ冷静かつ客観的な質問を「です・ます」調の丁寧語でするべきなんじゃないのかな。

 JR西が「鉄道マンとしての常識に欠けていた」と自覚するのは当たり前として、マスコミは報道人としての常識を持ち合わせていると胸を張れるのだろうか。 
posted by らくだ at 22:21 | 東京 ☔ | Comment(23) | TrackBack(10) | メディア | 更新情報をチェックする