たかだか5、6年前にダウが1万ドルを突破、ナスダックが5000の大台に乗せるのと同時並行して、米企業は小が大を飲むようなM&Aが次々に実現していった。あのころは、「日本もはやく景気が回復して、後ろ向きなM&Aじゃなくてアメリカみたいな戦略的なM&Aが盛んになればいいのに」なんていう論調もあったもんだが、今じゃそんなのどこへやら。政官財そろって「けしからん!」の大合唱みたいだ。
確かにライブドアがニッポン放送の株式を35%も取得したのには度肝を抜かれたよ。だって、ほかの企業がTOBをかけている最中に、第3者がそれだけの株式を取得した前例って記憶にないから。もちろん、指南役がいるのだろうけど、うまくやったな〜。これはホリエモンを責めるよりも、こういう抜け道をシャットアウトしていなかった側のポカじゃないの? すべて矛先がホリエモンに向かっているみたいで、よほど叩きがいのある嫌われキャラなんだなぁと感心させられるぐらいだ。
それじゃ私はライブドア支持かっていうと、そうでもない。メディア界を引っ掻き回してくれるのは大歓迎だけど、今回のライブドアの資金調達は条件が悪すぎ。そのあたりについては磯崎哲也事務所のisologueが詳しいので、関心のあるかたはぜひ一読を。しかし、ホリエモンがまともなら、リーマンがライブドア株を空売りに回ることは十分予想できたはずで、ここ6営業日でライブドアの株価が35%も下がったことも予想範囲内なんだろうか。ここんところがぜひ知りたいもんだ。
もし、そこまで予想していなくて、ニッポン放送の筆頭株主に躍り出たことでライブドアの株価も上がるはずと読んでいただけだとしたら…。ひょっとして、ただの出たがりのデブってことにならないかね? イーバンクの問題などゴタゴタがあったとはいえ、ここまで会社を育ててきて起業セミナーなんかで講師をして偉そうにしているアントレプレナーなら、まだまだ切り札の1枚や2枚残してくれていてもよさそうなもんだが。ビジュアル的に鋭さを感じさせない人なのでちと心配。もっと楽しませてよぉ。