2004年12月30日

津波の可能性を認識していたタイ気象庁

 タイ気象庁はスマトラ沖地震に伴う津波がタイを襲う可能性について話し合っていながら、パニックを招く可能性があるとして警告を見送っていた。(フィナンシャル・タイムズの英文記事

 記事によると、津波の第一波が襲来する約一時間前の午前8時10分(タイ時間)にはスマトラ島付近で強い地震があったことを認識しており、津波の可能性についても話あった。しかし、津波がやってくるという確証はなく、警報を発しても津波が来なかった場合はパニックを招いて観光業が打撃を被ったと非難されるのではないかという警戒感から、警報を見送ったという。

 先日のエントリーで日本は津波を予測して警告を発することはできなかったのだろうかという疑問を書いた。そのあとで知人から太平洋以外は津波の警報システムができあがっていないのでムリだと説明してもらった。それでもなお、被害はもっと少なくてすんだのではないかという思いが残る。

 最初に日本で地震のニュースを聞いたとき、NHKのアナウンサーはさらっと「この地震による津波の心配はありません」と言っていたんだよね。わざわざ言わなかったとはいえ「日本では」と限定しているんだろうけどさ。この話を英語の旅人掲示板に書き込んだらみんな驚いていた。「日本は短時間でそこまで予知できる能力があるのに、ほかの国のことは全く分からないの?」って。

 ここからは全くの憶測だけど、タイ気象庁が知っていたぐらいだからインド洋の米軍だって津波の危険性を十分に知っていたのでは? というのは米英軍の基地があるインド洋のディエゴガルシア島(英領)ではまったく津波の被害がなかったという(Stars & Stripes欧州版)。

 ディエゴガルシアっていうのは、ざっくりいうとモルジブの南、セイシェルの東にある。BBCによるとアフリカ大陸でもはソマリアで120人、タンザニアで10人、ケニアで1人と死者が出ているのだから、ディエゴガルシアで少しぐらい被害があってもおかしくない。もともと要塞のように作られていてダルマ状態でも大丈夫だったのか、それとも事前に連絡が入って対策を講じていたのかどっちなんだろう? 米英軍がダルマみたいに何もしないで波にもまれたけど結果としては大丈夫だったとはちと考えにくいのだが。ちょっとひねくれすぎだろうか?

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日本は津波被害を予測できなかったの?(12月26日) 
posted by らくだ at 21:00 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(2) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする