2004年09月12日

世界経済5つのリスク

 懐かしのフレッド・バーグステンが英エコノミスト誌に世界経済のリスクについて寄稿している。記事によると、世界経済は5つのリスクに直面していて、そのうち3つはアメリカに存在する。
1)米経常収支の赤字が再び急増して米ドルが急落するリスク
2)手が付けられなくなっている米財政赤字
3)保護貿易主義の台頭
4)中国経済のハードランディング
5)原油相場が60−70ドルまで上昇する可能性

 バーグステンにしては結構読ませることを書いていて(たぶんエコノミストの編集者がいいんだろう)、ついつい最後まで読んでしまった。ドル安リスクなど、主張していることは昔と変わっていない。時代の波が彼の方に再び向いてきたというところかな。

 個人的に印象に残った部分は「中国は(世界経済)成長の新しい牽引車」、「ドルが急落してインフレ率を押し上げれば米金利が2桁になり得ることをマクロ経済モデルは示している」、「ボルカー前FRB議長は5年以内にドルが急落する確率を75%としている」ってあたり。

 6番目のリスクとしてグリーンスパンが2年以内にFRB議長を退任する見通しっていうのを入れてもいいのに。後任者は大変だ。ひょっとしてミラー元議長のようになったりするかもしれないんだし。 

 ちょっと前までは各国当局者に「日本が世界経済の足を引っ張っている」とか散々責められたけど、日本はリスクと名指しされていない。日本の景気がよくなったとホッとするべきか、それとも中国にとって代わられてお役御免なのか…。
posted by らくだ at 23:50 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする