1)米経常収支の赤字が再び急増して米ドルが急落するリスク
2)手が付けられなくなっている米財政赤字
3)保護貿易主義の台頭
4)中国経済のハードランディング
5)原油相場が60−70ドルまで上昇する可能性
バーグステンにしては結構読ませることを書いていて(たぶんエコノミストの編集者がいいんだろう)、ついつい最後まで読んでしまった。ドル安リスクなど、主張していることは昔と変わっていない。時代の波が彼の方に再び向いてきたというところかな。
個人的に印象に残った部分は「中国は(世界経済)成長の新しい牽引車」、「ドルが急落してインフレ率を押し上げれば米金利が2桁になり得ることをマクロ経済モデルは示している」、「ボルカー前FRB議長は5年以内にドルが急落する確率を75%としている」ってあたり。
6番目のリスクとしてグリーンスパンが2年以内にFRB議長を退任する見通しっていうのを入れてもいいのに。後任者は大変だ。ひょっとしてミラー元議長のようになったりするかもしれないんだし。
ちょっと前までは各国当局者に「日本が世界経済の足を引っ張っている」とか散々責められたけど、日本はリスクと名指しされていない。日本の景気がよくなったとホッとするべきか、それとも中国にとって代わられてお役御免なのか…。