2004年08月30日

「より速く」「より強く」はもうたくさん

 アテネオリンピックは好きになれなかった私だけどマラソン観戦は大好きなので、昨晩は夜更かしして男子マラソンを見た。今回のオリンピックで深夜時間帯の競技をライブで見たのは最初で最後だ。

 ブラジルのデリマが襲われた時は何がなんだか分からなかった。自転車に乗った警備関係者?もそばにいたのに、全く役立たず。デリマはあっという間に歩道に押し出されていた。最後にスタジアムに戻ってきたときは1位と2位の選手よりも観客の声援が大きくて、なんだか私まで嬉しくなった。デリマ自身が恨みがましいことを言わなかったのもいい。

 IOCがスポーツマンシップを称える特別メダルをデリマに授与する(スポーツナビ)というニュースを聞き、これだ!と思った。というのも、「より速く、より高く、より強く」という従来のオリンピック精神はもう古いと思うんだよね。ドーピングとか疑惑の採点とか、なりふり構わず金メダルを取ろうっていう風潮は来るところまで来ちゃっている。今じゃドーピング隠しなんていう技術もあるとか。イタチごっこは永遠に続きそうな雰囲気だ。

 だからデリマみたいに「敢闘賞」みたいなのを設けて、その数で競い合うようにしたらどうかな? たとえば、男子サッカー。練習環境を考えたら1位のアルゼンチンよりも4位のイラクに何かあげたいわけよ、あたしゃ。誤審だらけの審判じゃなくて観客が決めてもいい。

 アメリカとイラクの混成チームがイギリス・アフガニスタンの混成チームと戦うなんていうのもいいかも。このままじゃ、オリンピックは世界の平和に貢献なんてするはずない。
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2004年08月29日

遅ればせながら沖縄の米軍ヘリ墜落事件

 沖縄・宜野湾市で米軍ヘリが沖縄国際大学キャンパスに墜落した事件については書かないつもりでいた。だって、「ないちゃー」(本土の人間)と「うちなーんちゅ」(沖縄本島の人)との考えには大きな隔たりがあるように感じているから、私のようなものが無責任なことを書くのは申し訳ないと思って。

 それでも書く気になったのは、ボロボロと出てくる各種報道に触れたからかな。マスコミの論調では全日本人がアテネ・オリンピックに熱狂しているかのような感じがするけど、地元紙琉球新報のサイトをみると、随分雰囲気が違う。事件からもう2週間以上たっているのに。

 ヘリが墜落した沖縄国際大学のサイトも、米軍ヘリ墜落事件についての情報が充実している。このサイトで現場写真の数々(これこれ)を見たら、私が各種報道によって想像していた以上の惨事だったことが分かった。学期中でキャンパスに人がいたら、と思うとゾッとする。

 朝日新聞によると、在日米軍司令官は被害を最小限に抑えたことについて、オリンピックでの日本の男子体操になぞらえて「普通に演技すれば金メダルをとれる状況で、最後の選手は無難に終わらせてもよかったが、とても難しい技を選んで演技した。その心意気は在日米軍の隊員と同じだ」と語ったとか。マジ?

 まぁ、確かに死者がでなかったのは幸運だったけど、これは乗組員の技術だけじゃなくて、夏休みだったという季節要因も働いているはず。夏休みじゃなかったら、ウルトラCの技でほかのところに墜落させていたのかなぁ? 日本の体操と同じだといわれてもねぇ。少なくとも日本の団体競技の最後の人はピタリと着地が決まっていたよ。日本人が納得できる説明とはとても思えない。こんな例え話を沖縄の人はどんな気で読んだのだろう?

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2004年08月28日

科学者が選ぶベストSF映画

 英ガーディアン紙が科学者60人を対象に調査・集計した「科学者に聞いたSF映画ベスト10」で、1位になったのは「ブレード・ランナー」だった(元記事のBBC)。この映画、池袋の文芸座で見たのに、正直いってよく覚えていない。もともとSF映画ってあまり好きじゃない。BBCでは、複数の学者のコメントとして「時代を大幅に先取り」していると伝えている。こんなことを聞くと、もう一度見てみようかなという気になってくる。

 私としては今回の調査で2位に入った「2001年宇宙の旅」の方がずっと印象に残っている。5位の惑星ソラリスも良かった。ベスト10のリストは以下のとおり(シリーズ物は複数で1本扱いのようだ)
 1.ブレードランナー(1982)
 2.2001年宇宙の旅(1968)
 3.スター・ウォーズ(1977)/帝国の逆襲(1980)
 4.エイリアン(1979)
 5.惑星ソラリス(1972)
 6.ターミネーター(1984)/ターミネーター2(1991)
 7.地球の静止する日(1951)
 8.宇宙戦争(1953)
 9.マトリックス(1999)
10.未知との遭遇(1977)
 50年代の2本とマトリックス以外は全部みたっていったら年がバレそうだな。個人的には「カプリコン1」に入って欲しかった。あれって玄人受けしそうなのに残念。古いほうの「猿の惑星」も好きな私だけど、あれがランクインしないのは納得できる。
posted by らくだ at 15:25 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 書評・芸能など | 更新情報をチェックする

2004年08月27日

明日更新します

 すみません。きょうは他のことでバタバタしているので、明日の日中に更新します。それにしても、夜の時間帯はまた重くなってきたなぁ。ちょっと不安だ。
posted by らくだ at 23:40 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ、訂正など | 更新情報をチェックする

2004年08月26日

我が家の近所にも「ヨン様」

 駅前のスーパーに入ろうとして思わず足を止めた。入り口で微笑むその人はヨン様(の等身大?ボード)。オロナミンCの宣材がこんな庶民的なスーパーまで来てるんだ。ふ〜ん。

 麦茶とかカップ麺がところ狭しと詰まれた傍らに立つヨン様ときたら、はっきりいって場違い。思わずしげしげと見てしまった。このヨン様を見て「あ、オロナミンCを買おう!」って気分になる人はいるんだろうか。私は全くならないね。オロナミンCのCMにはミスキャストなんじゃないかな。

 かといって、ソニーのハンディカムのCMがいいかというと疑問だ。要するに、この人は「冬ソナ」の中でクサイ演技をするところに存在価値がある。CMタレントとしてはちょっと印象が薄いように感じる。

 ヨン様にぴったりのCMがないか考えてみた。あたしも暇だな。そうだ! 郷ひろみの代わりに「イエス、高須クリニック!」なんてどうだろう? オロナミンCで「of course!」なんて言っているよりも似合いそうだ。 
posted by らくだ at 22:39 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする

2004年08月25日

不可解な日経夕刊のトップニュース

 きょう(25日付)の日経夕刊のトップニュースは「中国、モノレール整備」という、おそろしくどうでもいい記事だった。すでに完成して試運転を始めている重慶のモノレールを取り上げ、リードで「他の2、3都市でも5年以内に建設を始める」としているわりには、本文中では「省都クラスの都市が候補に上がっているもようだ」とあいまいだ。最初から最後までニュース価値を感じなかった。

 「生のニュース」っていうことでいったら、いくら経済紙とはいってもロシアの旅客機2機が墜落した話の方が断然価値があるはず。どうも解せないニュース感覚だ。

 日経の支局がないはずの重慶発の記事になっているところからみて、招待取材で重慶に出かけた上での提灯記事なのかな、などと勘ぐりたくなる紙面構成だった。

【追記】日経新聞は10月1日に重慶支局を開設した。てことは、支局開設を控えてのよいしょ記事だったみたい。
posted by らくだ at 23:29 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア | 更新情報をチェックする

2004年08月24日

北海道の意外性はトイレにあり

 久しぶりの北海道で一番意外だったのはトイレだ。最初はびっくりした。ウォシュレット式のトイレに座ったら便座が温かい。えっ、いま8月だよ。私の皮膚はひんやり冷たい便座を予想していたので、最初は飛び上がるぐらい驚いた。全部で4、5カ所あったかな。8月の初体験だ。

 もちろん冷たい便座もあったから、初期設定で「あったか仕様」になったまま変更できないってことはないみたい。要するに、そのトイレの管理人は暖房を切る必要性を感じていないってことだ。真夏でも寒い日もあるし、短い期間だけ設定を変えるのが面倒くさいってことかな。

 私にとっては便座の暖房は季節を告げる重大なイベント。お尻が冷たくなってきたなと感じてスイッチを入れると、あぁもう冬がやってくるんだなと思う。結構タイミングが難しい。たまに夫が知らん顔して元に戻していることもある。そんな時は、『あれ、ちょっと早すぎたかなぁ』と失敗した気分だ。

 「夏季暖房」のトイレに入ったことで、冬の北海道の寒さをちょっぴり感じることができた。
posted by らくだ at 23:24 | 東京 ☁ | Comment(5) | TrackBack(1) | 旅日記ほか旅関連 | 更新情報をチェックする

2004年08月18日

休載のお知らせ

 これから家を出て、新潟からフェリーで北海道へ向かいます。台風15号が気になるな。帰宅は23日夜。それまで休載します。

 きのうの「日本はオリンピックで大騒ぎしすぎ」と書いたものの、女子マラソンの時間帯は室蘭から青森のフェリーの中。ライブで見られないのはちょっと残念。
posted by らくだ at 20:29 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ、訂正など | 更新情報をチェックする

2004年08月17日

オリンピック至上主義

 日本の男子体操が団体競技で28年ぶりの金メダルを取った。朝起きたらそのニュースで持ちきり。新聞の号外も出たそうだ。最近はたいしたことじゃなくてもすぐに号外が出る。

 まぁ確かに喜ばしい話ではある。でも、夜7時のNHKニュースでもトップニュース扱いだったな。ってことは当然、昼のニュースも…。そこまで引っ張るようなニュースバリューがあるとはとても思えない。オリンピック関連が最重要ニュースみたいに伝えられて、イラクなどほかのニュースの枠が減っているのが不満だ。

 さらに不思議なのは、選手の家や学校にカメラを持ち込んで金メダルを獲得する瞬間の家族や学友の姿をこれでもかというぐらい見せること。あそこまでする必要性ってあるのかねぇ。それも毎回エスカレートしていくような気がする。そこまでテレビ局って人が余っているのか?

 実況中継のアナウンサーだって甲高い声で絶叫する人ばかり。もうちょっと客観的に伝えられないもんかね。そのスポーツに関係ないタレントがアテネからレポートしているのはなぜなんだ? ワケの分からないことが多い。日本は「メダルラッシュ」だそうだけど、素直に喜べない私は性格が悪いかも。
posted by らくだ at 23:56 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(0) | スポーツ | 更新情報をチェックする

2004年08月16日

アクセス障害

 朝方の数時間、サーバーが落ちててこのページにアクセスできなかった。見に来てくれたかた、どうもすみません。

 Seesaaは数カ月前にサーバーを増強して以来、アクセスに問題がなかったのですっかり油断していた。トラブル長期化で話題を振りまいたJUGEMからSeesaaに移ってきた人もいるだろうし、ユーザーが増えたのが原因なのかな? まぁ偶然見つけた無料のサービスを使わせてもらっているのだし、いろいろと機能が追加されているしで不満はないんだけど、この先ちょっと心配ではある。

 ブログはまだいい。メインサイトをどうするか迷っている。利用できる50MBがほぼいっぱいになったので、広告付の無料サービスxreaでも50MBを確保した。コンテンツが多くなるたびにちびちびと移している。これが結構面倒くさい。どうせなら有料の大容量サーバーを借りて独自ドメインを取ろうかと思うものの、いつまでサイトの運営を続けるかわからないもんなぁとも思わないでもない。よって、中途半端な状態が続いている。

 ところが、ここにきてISPを変える可能性が出てきた。今使っているVDSLは2人で月4300円余りを払っている。そこへ有線ブロードバンドの広告が入ってきた。これを利用すると月2980円で済む。2カ月無料で仮設置でき、8月末までなら初期費用がタダというのもイイ。ホームページ用のサーバーは利用できないけど、それを差し引いても十分魅力的なので早速問い合わせてみた。

 そうしたらマンションの共用部分で作業をしなくちゃいけないので、管理組合からのOKが必要なんだという。なんだ。OKをとってから広告を入れて欲しかったな。明日早速管理人さんに聞いてみよう。マンション単位でいまのISPを導入したのだから選択の余地はないのかな? 変えられるのだったら安いサービスにして、ホームページ用に有料サーバーを借りようっと。
posted by らくだ at 23:11 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | Web&ブログ | 更新情報をチェックする

2004年08月15日

1カ月半ぶりにジーパンをはいた

 寒い。きのうに比べて気温が10度以上も低く、一気に10月並みの気温になったそうだ。開ききっていた毛穴が一気にギュ〜っと収縮したのか、肌があちこちかゆい。

 きょうは出かけるのにジーパンをはいた。6月下旬に中国旅行に出発して以来あまりの暑さにジーパンをはいていないから、控えめにみても1カ月半ぶりぐらいかな。きょうは全然暑苦しく感じなかった。「上はセーターかフリースを着るべきかな」と言ったら夫にバカにされたのでTシャツにしたけど、やはり寒かった。

 明日になったらまた30度台に戻るそうだけど、18日の夜出発で北海道に行くから、あっちではまた寒い思いをしそうだ。体がついていかないな〜。
posted by らくだ at 23:40 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2004年08月14日

ブログにみる日本選手団の服装評価

 直前のエントリーでオリンピック開会式で「日本選手は浴衣を着ればいいのに」と書いたあと、ほかの人はあの服装をどう思ったのか気になった。調べてみたら、ボタンダウンクラブさんやSheep Lifeさんみたいに浴衣支持派がほかにもいて嬉しい。

 突っ込みニュースさんは浴衣については触れていないけど、日本は「五輪でワーストドレッサーが競われたら金メダル間違いなし!」と手厳しい。私は全部の参加国の服装を見たわけじゃないから断言はできないけど、かなり賛成。毎回アフリカの人たちなんて誇りを持って民族衣装を着ていて、見ごたえがある。どうも日本は…。きびんのひとりごとさんは、「健康ランドの室内着」とばっさり。なるほど。私は直前のエントリーで「男子は病院職員、女子は入院している人のガウン姿」と書いたけど、男子は弁当屋とか食品工場で働いている人に見えなくもないなぁと思っている。
 
 一方、ハルのつぶやきさんは「なかなか良い感じですよ♪」と好意的。snuffimiffyうさこの日記さんも「女性は、ピンクや赤の花柄がついていて、小さい子供の浴衣みたいだと思ってしまったんですが、かわいいと思いました」と評価している。みんながみんな批判的っていうのもかわいそうだし、こういう意見があるとかえってホッとするかも。

 Letter from Yochomachiさんは「日本選手団の「花模様」は、それだけ見れば楽しくって、堅苦しさがなくって、結構なデザインだと思うのだが、開会式の雰囲気からはやはりちょっとずれていたのかも知れない」と、客観的に評価している。

 まぁでも、こうやって外野が「あ〜でもない、こ〜でもない」っていろいろ言い合うのがオリンピック開会式の楽しいところだな。このエントリーを書くためにオリンピック開会式について書いたブログをざっと見てみたけど、開会式でのパフォーマンスについては大半のブログが「良かった」と書いていた。このところトラックバック機能を使っていなかったので久しぶりにトラバを送ってみる。

【関連バックナンバー】
浴衣で入場行進したらいいのに…(8月14日)
posted by らくだ at 14:01 | 東京 ☀ | Comment(5) | TrackBack(2) | スポーツ | 更新情報をチェックする

浴衣で入場行進したらいいのに…

 今になってから録画でアテネオリンピックの開会式を見ている。日本選手団の服装、今回はKENZOのデザインだそうで、少しはマシになるのかと思っていたら、う〜ん。ちと絶句気味だ。

 男子は白ずくめで病院職員みたい。女子はぶかぶかの花柄で入院中の人がガウンを着ているみたいに見えた。カジュアル志向なんだろうけど、そういう風に着こなしている人がいないくて「だらしない」って印象だ。それでも前回の虹色マントよりいいかも。

 昔から日本選手団の服装には不満を持っているので、「ダサいに違いない」という先入観があるのかもしれない。でも、あれだったらみんなが普段着慣れているジャージの方がよほどキリッと見栄えがするよ。私が服装担当だったらみんなに浴衣を着せるな。いかにも日本らしいし、涼しそうでいいと思うんだけど。若い人たちってあまり浴衣が似合わないから、着流しみたいになってヘンかな。
posted by らくだ at 09:30 | 東京 🌁 | Comment(4) | TrackBack(1) | スポーツ | 更新情報をチェックする

2004年08月13日

「私はゲイのアメリカ人」

 "I am a gay American"と言って米ニュージャージー州のマグリービー州知事(47)が辞意を表明した(AP電

 なんでこんなことになったかというと、付き合っていた側近のイスラエル人男性から、数百万ドルを払わないとセクハラで訴えると脅されているらしい。このイスラエル人男性は詩人だというのに、なぜか州知事の安全保障担当顧問を務めていたという。公私混同で雇用したんだな。こんなことになったのも身から出た錆といえそうだ。

 マスコミに騒がれる前にカミングアウトしちゃった潔さは評価する。しかし、隣でそれを聞いていた奥さんはどんな気分だったのかな。かわいそうだ。ABCニュースによると、マグリービーは前の奥さんとの間に11歳の娘、今の奥さんとの間に2歳の娘がいる。

 これとは別に、カリフォルニア州最高裁がサンフランシスコ市の認めた同性結婚は州法違反で無効との判断を示した(読売新聞)。ゲイ世界にとってのバックラッシュか? 私は個人的には同性結婚をしたっていいんじゃないかと思っている。アメリカでゲイの男性を2人知っていたけど、2人とも細やかな気配りをする人で、とても好きだったな。
posted by らくだ at 23:06 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2004年08月12日

温泉旅館の裏側

 白骨温泉に始まったニセモノ温泉問題、伊香保、水上その他へと広がっている。温泉サイトを運営している身からすれば全く嘆かわしい状況といえるのだが、心の片隅では「ようやくこの業界のダークな部分に光が当たってきた」という気がしないでもない。

 というのも、私は学生時代の冬休みにアルバイトで2週間ほど温泉旅館の仲居をやり、温泉旅館というものにすっかり幻滅した経験があるからだ。もちろん私のバイト先が例外的に異常だった可能性はあるけど、このところの一連の騒動をみていると、どうもそうじゃなさそうだ。

 私がバイトした温泉旅館、まず最初に研修がある。そこで支配人から細かく指導された。
「たとえばお刺身に髪の毛が入っているのがバレてお客さんから取り替えるように言われたとする。その場合は『申し訳ございません。すぐに取り替えさせていただきます』と言っていったん奥に引っ込み、髪の毛を取り除いたら盛り付けを少し変えて出すように。髪の毛を取り除いただけだと、同じものだとバレるから注意すること」
 これだけならまだいい。自分で担当の部屋を持つ前、ベテラン仲居さんの後について見習いをする。私の指導係のキクさんときたら、何を拭くのもダスターと呼んでいる台拭きだ。灰皿を拭いたかと思ったら、今度はコップを拭いて「消毒済み」の紙を巻いている。こっちは「ちょちょちょちょっと…キクさんそれ、灰皿を…」と青ざめたけど、キクさんときたら「いいのよ。分からないんだから。ダスターだって洗えば一緒でしょ」と笑う。そういう問題かぁ?

 あのときは心底怖くなったね。トイレだって消毒済みなんて帯をつけるけど、私が働いていた2週間の間、消毒なんてしたこと1度もなかった。経営者も従業員も根底にある考え方は同じ。「客にバレなければどれだけ手を抜いても、何をしてもいい」。それで客からチップもらって当然ていう顔をしているんだからタチが悪い。おまけにバイト仲間で従業員用の温泉に入っていたらオヤジがのぞきに来た…。

 それ以来、温泉旅館にはほとんど泊まっていない。その私がなぜか温泉サイトを運営しているけど、入浴は日帰りが中心で泊まるのはビジネスホテルが多い。旅館に泊まるとしても温泉仲間から情報を仕入れて1万円以下で確実なところにしている。何万円も出してあんな目に遭いたくないもん。

 ここ数日、温泉旅館の人たち(私がバイトしたところとは全く関係ないとはいえ)が「これまで客からクレームがないから悪いことをしたとは思っていない」とか「腰の痛いのが直ったというお客さんもいたんですよ」とか言っているのを聞いて昔のバイト先の苦い思い出が蘇った。あたしって何で温泉サイトなんてやってるんだろう? 懲りていないのかな。

【関連バックナンバー】
白骨温泉とマスコミ(7月24日)
草津温泉ハップ(7月15日)
posted by らくだ at 23:57 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅日記ほか旅関連 | 更新情報をチェックする