2004年07月30日

「げきを飛ばす」そんなに問題?

 慣用句や熟語の意味を大半の人が取り違えているとかで話題になっている。例えば「げきを飛ばす」。恥ずかしながら、私も常識知らずの1人だ。てっきり「元気付ける」とか「カツを入れる」という意味なんだとばかり思っていた。本当は「自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めること」なんだって。

 でも、なんで私を含めて74%もの人が意味を取り違えたかっていうと、そういう誤用に日常的に接してきたからなんじゃないかな。たとえば、高校野球についての朝日新聞の記事
 渡部さんは79年から通算22年間、同校野球部長を務めたほか、93年から10年間は県高野連副理事長も兼務した。表彰の前に錦織正実理事長は「温厚、実直な性格でみんなから慕われている。表に立つ性格ではなかったが、いったん(試合で)ベンチに入ると、選手たちに大きな声でげきを飛ばすなど、内に秘めたる闘志も持ち合わせていた」と渡部さんの人柄を紹介した。
という記事なんて、書いた人は「元気づける」という意味で使っているように思う。これに限らずスポーツ関連の記事にはこの手の「げきを飛ばす」が多い。

 それに広辞苑で「げきを飛ばす」を調べると、
考えや主張を広く人々に知らせて同意を求める。また、元気のない者に刺激を与えて活気づける。
と出ている。なんだ、間違いとは言えないじゃん。辞書が現状に追いついてきたって感じかな。

 言葉なんて進化なのか退化なのか知らないけど、絶えず変わっている。昔は私も「ウザイ」なんて言葉使っていなかったな。そのうち「何気に」とか「超…」とか自然に使うようになるのかもしれない。見慣れない言葉や若者が使っている言葉ってどうも拒否反応を示しがちだけど、頭ごなしに否定していたら、平安時代に「ひらがな」なんて生まれなかったはずだ。
posted by らくだ at 21:01 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする