2004年05月06日

再びイラク人捕虜虐待の話

 ブッシュがアラビア語のテレビに出て虐待事件について話すというのでアルジャジーラのサイトをのぞいていたら、実際に出演したのはアルアラビーヤとアルフラーとかいうテレビだった。アルフラーというのはアメリカが資金を出しているらしい。ちらっと見たところでは釈明に終始して謝罪はなし。あとになってマクレラン報道官が"sorry"という言葉を使っていたことから考えれば、すごい反発があったに違いない。

 6日付のワシントンポスト紙には新たな虐待写真が何枚か載っている(日本時間6日夜現在はインターネット版で見ることが可能)。小出しにボロボロと出て来るな。でも、載せられない写真もあるそうだから、外に出てくるだけ人目に触れてもいい写真てことなんだろう。

 ラムズフェルドへの風当たりも強まっているらしい。ブッシュはかばう姿勢だったけど、ラムズフェルドの7日の議会証言次第ではひょっとしたら辞任もあり得る? 個人的にはちょっと難しいと思っているけど、メディアも辞任の可能性に触れるようになってきた(BBC)。

 アメリカの世論てどうなっているんだろう? どうもリベラル陣営の意見が気になる。4日のエントリーで友人の言葉を書いたばかりだけど、リベラル政治サイトでよくのぞいているDaily Kosもキレが悪い。このKosのサイトときたら、3月末にファルージャで4人のアメリカ人(日本では民間人とか警備員とか傭兵とか、元特殊部隊隊員の外注部隊とかされている)が殺されて遺体を引きまわされた時、「カネで雇われた人間がどうなろうと何も感じない」と書いて、民主党ケリー大統領候補のブログからリンクを外された前歴がある。

 今回の虐待事件については、主催者のkosじゃない人だけど
As for the specific case of Abu Ghraib, remember that some of these prisoners are terrorists, or people leading insurgency against our troops with the intent to kill, maim or capture.
などと書いていて、ドキッとさせられた。「アブグレイブに特定すれば、捕虜の一部はテロリストであったり、我々の兵隊を殺傷・拘束するために反乱行為を先導している連中であることは覚えておきたい」(筆者訳)ってことだ。

 さらにコメント欄には「有権者のほぼ半分か今回の事件には何ら悪いことはないとみなしている」ともあった(情報源は不明)。アラブ世界じゃ「アメリカは残虐だ」という話になって憎悪がますますみなぎってもしょうがないと思うんだけど、アメリカでは個人の犯罪という感じなのかな。アメリカ人として恥ずかしいというような考え方は一般的じゃないんだろうか。メディアと一般大衆の間にちょっと温度差を感じてしまった。

【追記】BBCによると、ブッシュは6日、初めて"sorry"という言葉を口にして謝罪した。

【関連バックナンバー】刑務所での虐待は日常茶飯事?
posted by らくだ at 23:59 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする